FC2ブログ

東芝の次世代暗号技術「量子暗号通信」と量子コンピュータについてわかりやすく解説して下さい



東芝が次世代の暗号技術、「量子暗号通信」をアメリカで実用化する方針を決めました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

20200123080211f16.jpeg


IT関係のお仕事をしていて、資格などを取ろうと勉強した時、公開鍵とか秘密鍵なんて言葉を耳にした事があるかもしれません。

メールでもSSL(暗号化通信)と言って、盗聴や盗み見をされる事を防ぐセキュリティが設定されていたりします。

しかし、これらの暗号化は絶対に安全とは言えません。現に情報が漏れてしまった事件がいくつもあります。

そしてこの先、「量子コンピューター」というものが普及されるようになってしまうと、今までのセキュリティは全く役に立たないものになると言われています。

コンピュータの性能が上がったのは半導体技術の進歩と言っても過言ではありません。半導体はほとんど全ての電化製品に使われています。

半導体の役割は「電気を通す」、「通さない」を行う事により、これを利用して複雑な計算をしたり電化製品に利用されています。

電気を通す通さないは、すなわち「オン」「オフ」をしている状態でして、これを0か1の2つの数字で表しています。2つなので2進数と呼んでいます。

20200123080221c90.jpeg


半導体は小型化しながら回路の集積度を上げ、計算スピードを上げて電力消費を下げて進化し続けて来ました。

わかりやすく言うと小さいけどめっちゃ計算が速くて、電力をほとんど使わないように進化させて来たわけです。

しかし、これには以前から限界があると指摘されていました。「ムーアの法則」の限界説です。

ムーアとは人の名前でインテル(アメリカの半導体メーカー)の創業者の一人です。
ムーアさんは論文上でこんな定説を唱えました。

パソコンにある「CPUの性能が18ヶ月毎に2倍になる」と言うものです。今まで100個処理出来たものが、18ヶ月後には200個処理が出来ると言うわけです。

しかしながら現在では進化のスピードに曇りが見えて来ており、物理的にもこの法則通りにはいかない様になって来ています。

皆さんは半導体が搭載されたこのコンピュータをまさにいま使ってるわけですが、これを「古典コンピュータ」と呼んでおります。

古典コンピュータの場合は0か1の2つの数字どちらかしか現す事ができません。
オン・オフ両方の状態を表す事ができないのです。

量子コンピュータという新しいコンピュータは言うなればオン・オフ両方の状態を表す事ができます。
(重ね合わせと言う表現をします。)

さらに「2つの数字だけでなく2つの数字またはそれ以上の数字で表す事ができる」のです。

だから0と1だけでなく0、1、2、3と言った具合に2つ以上の数字で表せます。

オン・オフ以外の2とか3とかってどういう状態なんだよ・・と、多分わけがわからないと思います。

いいんです。
細かいことは気にしなくて。

ですが、ちょっとだけわかりやすく図を見ながら見てみましょう。

古典コンピュータの場合で0と1の2つの数字を計算するとなると、計算が2回必要です。

20200123080249802.png


しかし量子コンピュータの場合は
0でも1でもある状態が重ね合わさった状態(重ね合わさった所は2かもしれないし、3かもしれない)で、これを1回で計算してしまいます。

20200123080239877.jpeg


これがなんなのよ?
と思うと思いますが、複雑な計算をあっと言う間にしてしまうのです。

どのくらい従来のコンピュータと違うかと言いますと、現在のスーパーコンピュータで1万年かかる計算を3分20秒ほどで計算してしまうのです。

さて、この話から「量子暗号通信」に移りたいと思います。

今の暗号通信は冒頭にありましたように絶対に安全ではありません。

なぜなら時間はかかりますが暗号化を複合化(暗号を解読しちゃうこと)する事ができるからです。

これは複雑な暗号化をコンピュータが計算して解読する事が出来るからです。
ただし、時間がかかります。

しかし、量子コンピュータの場合はレベルが全く違いますから、古典コンピュータで作られた暗号化はすぐに複合化する事が出来てしまうのです。

逆に言えば量子コンピュータを使用して暗号化されたものは古典コンピュータでは解読するのに百年かかかっても解読できないかもしれません。

つまり量子コンピュータで作られた暗号化は古典コンピュータでの解読はほとんど不可能と言うわけです。

量子とは光の粒を使う技術なのですが、自分が送り先に光の粒に暗号化された文章を開く鍵を載せて(量子鍵配送(QKD)と言います。)、無事に届いた後に本来のデータを送ります。

相手側は受け取っておいた鍵を使ってデータを開きます。

仕組みはシンプルなのですが、量子コンピュータで作られた暗号化文は仮に盗聴しようとすると光の粒がすぐに変化して盗聴された事に相手側が気づきます。

そこで相手側は送信者に新しい鍵を送ってもらうようにお願いします。

データを盗まれても鍵が無いので開く事もできないので安全というわけです。

量子暗号通信を東芝がアメリカで金融機関などに実用化させると日本企業としては初めての事になります。

これが今回のニュースですね。
スポンサーリンク


▼大佐のブログが本になりました。 2018071712381622c.jpeg
自己紹介
ブログ管理人:大佐
大佐
趣味は家の掃除からバイクまで幅広く。 当ブログの更新や若い方中心にニュースをわかりやすく解説しています。 広告主募集中!▶︎こちらからご連絡をお願い致します。

2020/01/23(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

 |  HOME  |  »