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東芝の次世代暗号技術「量子暗号通信」と量子コンピュータについてわかりやすく解説して下さい



東芝が次世代の暗号技術、「量子暗号通信」をアメリカで実用化する方針を決めました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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IT関係のお仕事をしていて、資格などを取ろうと勉強した時、公開鍵とか秘密鍵なんて言葉を耳にした事があるかもしれません。

メールでもSSL(暗号化通信)と言って、盗聴や盗み見をされる事を防ぐセキュリティが設定されていたりします。

しかし、これらの暗号化は絶対に安全とは言えません。現に情報が漏れてしまった事件がいくつもあります。

そしてこの先、「量子コンピューター」というものが普及されるようになってしまうと、今までのセキュリティは全く役に立たないものになると言われています。

コンピュータの性能が上がったのは半導体技術の進歩と言っても過言ではありません。半導体はほとんど全ての電化製品に使われています。

半導体の役割は「電気を通す」、「通さない」を行う事により、これを利用して複雑な計算をしたり電化製品に利用されています。

電気を通す通さないは、すなわち「オン」「オフ」をしている状態でして、これを0か1の2つの数字で表しています。2つなので2進数と呼んでいます。

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半導体は小型化しながら回路の集積度を上げ、計算スピードを上げて電力消費を下げて進化し続けて来ました。

わかりやすく言うと小さいけどめっちゃ計算が速くて、電力をほとんど使わないように進化させて来たわけです。

しかし、これには以前から限界があると指摘されていました。「ムーアの法則」の限界説です。

ムーアとは人の名前でインテル(アメリカの半導体メーカー)の創業者の一人です。
ムーアさんは論文上でこんな定説を唱えました。

パソコンにある「CPUの性能が18ヶ月毎に2倍になる」と言うものです。今まで100個処理出来たものが、18ヶ月後には200個処理が出来ると言うわけです。

しかしながら現在では進化のスピードに曇りが見えて来ており、物理的にもこの法則通りにはいかない様になって来ています。

皆さんは半導体が搭載されたこのコンピュータをまさにいま使ってるわけですが、これを「古典コンピュータ」と呼んでおります。

古典コンピュータの場合は0か1の2つの数字どちらかしか現す事ができません。
オン・オフ両方の状態を表す事ができないのです。

量子コンピュータという新しいコンピュータは言うなればオン・オフ両方の状態を表す事ができます。
(重ね合わせと言う表現をします。)

さらに「2つの数字だけでなく2つの数字またはそれ以上の数字で表す事ができる」のです。

だから0と1だけでなく0、1、2、3と言った具合に2つ以上の数字で表せます。

オン・オフ以外の2とか3とかってどういう状態なんだよ・・と、多分わけがわからないと思います。

いいんです。
細かいことは気にしなくて。

ですが、ちょっとだけわかりやすく図を見ながら見てみましょう。

古典コンピュータの場合で0と1の2つの数字を計算するとなると、計算が2回必要です。

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しかし量子コンピュータの場合は
0でも1でもある状態が重ね合わさった状態(重ね合わさった所は2かもしれないし、3かもしれない)で、これを1回で計算してしまいます。

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これがなんなのよ?
と思うと思いますが、複雑な計算をあっと言う間にしてしまうのです。

どのくらい従来のコンピュータと違うかと言いますと、現在のスーパーコンピュータで1万年かかる計算を3分20秒ほどで計算してしまうのです。

さて、この話から「量子暗号通信」に移りたいと思います。

今の暗号通信は冒頭にありましたように絶対に安全ではありません。

なぜなら時間はかかりますが暗号化を複合化(暗号を解読しちゃうこと)する事ができるからです。

これは複雑な暗号化をコンピュータが計算して解読する事が出来るからです。
ただし、時間がかかります。

しかし、量子コンピュータの場合はレベルが全く違いますから、古典コンピュータで作られた暗号化はすぐに複合化する事が出来てしまうのです。

逆に言えば量子コンピュータを使用して暗号化されたものは古典コンピュータでは解読するのに百年かかかっても解読できないかもしれません。

つまり量子コンピュータで作られた暗号化は古典コンピュータでの解読はほとんど不可能と言うわけです。

量子とは光の粒を使う技術なのですが、自分が送り先に光の粒に暗号化された文章を開く鍵を載せて(量子鍵配送(QKD)と言います。)、無事に届いた後に本来のデータを送ります。

相手側は受け取っておいた鍵を使ってデータを開きます。

仕組みはシンプルなのですが、量子コンピュータで作られた暗号化文は仮に盗聴しようとすると光の粒がすぐに変化して盗聴された事に相手側が気づきます。

そこで相手側は送信者に新しい鍵を送ってもらうようにお願いします。

データを盗まれても鍵が無いので開く事もできないので安全というわけです。

量子暗号通信を東芝がアメリカで金融機関などに実用化させると日本企業としては初めての事になります。

これが今回のニュースですね。
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2020/01/23(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

ゲノム解析によってなにがわかるのかわかりやすく解説して下さい



大手商社の伊藤忠商事とベンチャー企業が提携して
「全ゲノム解析」のデータを集めて、新薬の開発などに活用しようという事になりました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。

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まずは「ゲノム」について解説して行きましょう。

ゲノムとは遺伝子という意味のgene、染色体という意味のchromosomeの2つを合成した言葉です。
どちらもドイツ語です。

染色体は細胞の核の中にあります。
細胞は2種類あって、原核細胞と真核細胞に別れます。

原核細胞は単純な構造をしていますが、真核細胞には「核膜」という膜があり、体積も原核細胞に比べて一万倍くらい大きいです。

染色体は真核細胞にしかありません。
この染色体は46本あります。父親から23本、母親から23本、半分ずつ受け継いでいます。

この染色体の中に折りたたまれて存在しているのがDNAです。

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DNAとは一言で表すと「設計図」です。
ロボットなんか作る時の設計図と似たような感じですね。

このDNAには4種類のA(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・T(チミン)という塩基物質があります。

塩基物資は酸と対になって働く物質なのですが、話がややこしくなるので省きましょう。そしてこの塩基物資はAとT、GとCが対になって羅列しています。

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この並び順が「遺伝情報」です。
遺伝子とは遺伝情報の1つの単位で、人間には遺伝子が22000個あります。

もう少し言うと遺伝子1つが一枚の紙に記載されるものだと思って下さい。この遺伝子22000枚の紙がまとまり本となったものを「ゲノム」と言うのです。

ではゲノムを解析して行く事で何がわかるのでしょうか?

今までの研究結果では病気のリスクや体質の関係性がわかって来ています。

例えば将来ガンになるリスクが高いかどうかとかですね。ガンは細胞が際限なく増殖してしまい他の臓器などに入り込んで衰弱していく病気です。

原因は遺伝子の変異です。
普通は遺伝子が変異すると自然に修復されますが、ガンの場合は修復されません。

今までそのような変異してガンになると思われる遺伝子が数100個ほど見つかっています。

つまりゲノム解析してあらかじめ変異するような遺伝子を持っていりことを知っておけば、備える事ができたりします。

またお酒に強いか弱いかの体質や低血圧かどうかさえもわかったりするのです。

つまり全てのゲノムを解析してデータを集めて行けば、新薬を作り出す事も可能となるはずです。

そこで伊藤忠商事と、遺伝子の解析を手がけるベンチャー企業とが提携して、遺伝子のデータを管理するデータベースの構築に乗り出すことにしたわけです。

これが今回のニュースですね。
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2020/01/16(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

カルロス・ゴーン被告はなぜレバノンに行ったのか理由を教えて下さい



日産の元CEOであるカルロス・ゴーン被告が保釈中にレバノンに逃亡した事がわかりました。今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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ゴーン被告は2019年11月に、役員報酬を少なく有価証券報告書(会社の業績などを記載した報告書)に記載したり、会社の資金を不正に利用していたとされて(ここは真実かは不明)逮捕されました。

しかし、ゴーン被告の逮捕劇は単純な事ではなく、ゴーン被告に関連する様々な人達の思惑や陰謀、裏切りなど複雑な部分があります。

日産はフランスの大手自動車ルノーと三菱自動車とで企業連合を組んでいます。

日産が発行している株のうち、43%はルノーが持っているのですが、株を沢山持っていればいるほど、議決権というものが強くなります。

議決権とはその会社が何かをしようとした時、沢山の株を所有している株主は賛成もしくは反対する事ができます。

何故なら会社は出資をしてくれている株主のものだからですね。

43%ですから、かなり強く日産に対して干渉できます。日産もルノーの株を15%持ってはいますが、議決権としては何もありません。

こんな関係の中でルノーは日産との経営統合を計画していましたが(日産の利益をまるごと飲み込めるから)、日産はそれを拒否し続けていました。

そして様々な画策があり、ゴーン被告を追放しようとして、今回の逮捕劇になったと言われています。

逮捕後にゴーン被告は昨年こんな事を言っていました。「有罪が前提で、差別がはびこり、基本的人権が否定されている」

自分は会社にハメられたのだと、日本の司法制度と一緒に批判していました。

このまま日本にいては確実に有罪となってしまう。
そういうわけでレバノンに行って判決を覆そうとしたわけです。

ゴーン被告はブラジルでレバノン系の両親の間に生まれ、レバノンの首都ベイルートで幼少期を過ごした後にフランスへ移住したので、ブラジル、レバノン、フランスの市民権を持っています。

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レバノンに行った所で同じなんじゃないの?
と思うかもしれませんが、日本の司法制度には問題点がいくつかあり、海外では「?」と思う事が多々あります。

例えば尋問の仕方ですね。
ゴーン被告は1日8時間以上の尋問があり、「告白すれば終わる」と何回も言われ108日間拘留されたと言っています。

多くの国では起訴された場合、すぐに保釈されますが、ゴーン被告は否認し続けていたので証拠隠滅や逃亡の恐れがあった為、拘留され続けていたのです。

日本では罪を認めさせるまで、拘留する傾向が非常に強い国です。
人質司法なんて言ったりもしますね。

また拘留中は家族との面談や、弁護士さえも立ち会えませんので、一人で尋問に答えなくてはなりません。

冤罪だった場合は最悪です。
罪を認めさせるまで帰れないので、冤罪でも認めてしまったという例も多数起きています。

ゴーン被告はこれにより、適切な取り調べが行われず、基本的な人権が否定されたと述べて否定しているというわけです。

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また司法取引にも問題点があります。

日本では2018年の6月から司法取引が導入されました。司法取引とは被疑者が捜査などに協力する事で不起訴にしたり刑を軽くしてもらう制度です。

海外の映画なんかで司法取引しているシーンをよく見かけますね。

司法取引には2パターンあります。

●自己負罪型・・自分がやった事件について素直に認めれば不起訴や求刑を軽くさせるというもの。

●捜査・公判協力型・・他人が行った事件について捜査などに協力する事で、自分がやった事件に対して不起訴や求刑を軽くさせるというもの。

しかし、日本の司法取引は海外の司法取引とちょっと違っていて、捜査・公判協力型しか認めていません。
複雑になりやすい組織犯罪などの事件の真相を解明しやすくする為に設けられているからです。
(どの事件でも司法取引ができるわけではなく限定されています。)

実は日産の幹部2人が一度拘留されたのですが、司法取引をした事によって不起訴となっています。

簡単に言うとゴーン被告を司法取引で幹部2人が売ったという事になります。

不起訴となってしまった為、ゴーン被告は何もできません。これに対してもゴーン被告が否定しているわけですね。

自宅には監視カメラ、電話やパソコンの使用も制限、海外への渡航も禁止され、ほぼ100%有罪になる状況を打破する為にレバノンへ逃亡したというわけです。

これが今回のニュースですね。
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2020/01/09(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

マグロの初競りはなぜ高いのかわかりやすく解説して下さい



1月5日に東京の豊洲市場で初競りが行われて、青森県の大間港で水揚げされたクロマグロが1億9000万円余りで競り落とされました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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青森県で水揚げされるマグロは「クロマグロ」と言います。よく本マグロと呼ばれたりしていますね。

マグロにはミナミマグロ、キハダマグロ、メバチマグロと言った種類があるのですが、こう言ったマグロのほとんどはスーパーで売られているものです。

そして銀座にある高級お寿司屋さんに出てくるのが、このクロマグロです。

マグロはエサと産卵のために回遊します。

ファリピンの東方沖で産卵し、そしてイワシやイカなどのエサを求めて、黒潮又は対馬海流にのって移動します。

青森県の大間で獲れるクロマグロは特に有名ですが、長い旅をする事で、大きく脂が乗ったクロマグロが冬に獲れるからです。

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みなさんもスーパーに行ってマグロの刺身を見かけるかと思いますが、高過ぎてほとんどの方が手を出せないでいると思います。

それもそのはず。クロマグロの漁獲量はご存知の通り、乱獲で激減しています。

昔は沿岸でも普通に獲れたマグロですが、明治時代になると獲り尽くされて今は船で沖へ出て行かなくては獲れません。

特に激減してしまった理由は産卵場にて巻き網漁で一気に獲ってしまうからです。

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産卵しに来るマグロはほとんどエサを食べないので、産卵場に来るマグロは脂が乗っておらずあまり美味しいとは言えません。

しかしながら、産卵場に来るマグロを網で獲り、さらにクロマグロを獲っている95%以上は0歳〜1歳くらいの赤ちゃんマグロを網で獲ってしまってます。

市場ではこう言ったマグロは安く買われてしまう為、獲っても廃棄したりされています。

廃棄する理由のもう一つは漁獲枠の制限があるからですね。限られた漁獲枠の中で安い値段しかつかないクロマグロを獲っても意味がないので捨ててしまい、獲ってない事にしちゃうんです。

当然、マグロはいなくなり価格が高騰するわけですね。

こう言った事がないようにしっかりと規制をして監視をするべきなのですが、残念ながら管理がずさんな為、結局うまくいっていないのが現状です。

さて、マグロの初競りに話を移しましょう。
毎年1月5日にはマグロの初競りが行われます。

今年もすしざんまいで有名な社長がテレビに出て、1億9320万円で競り落とした事を報告していました。

マグロの初競りは昔は全くニュースにもなりませんでしたが、2001年に2020万円という値段で競り落とされてから話題となりました。

今までで初競りの最高額だったのは2019年の3億3360万円です。
同じくすしざんまいが競り落としました。

なぜこんな高い金額でも競り落とすのかと言いますと、初競りは非常に宣伝効果も高いからです。
(宣伝効果の為だけにやっているというわけではないですがね。)

NHKとかですと、宣伝となってしまう為に名前が出ないのですが、他のテレビ局や新聞だと競り落とした所の名前が公表されます。

この宣伝効果が新たにお客さんを呼んで儲かるので、翌年もさらに同じ様に競り落としたりします。

だから初競りのマグロは高くなるわけですね。

マグロ漁師さんにとっても初競りは目標でもあり、一攫千金のチャンスでもありますが、「漁師殺し」と言って批判も一部ではあります。

マグロは限りある資源でありますから大事にしていきたいものですね。
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2020/01/07(火) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(1)

ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんらが発明したリチウムイオン電池の仕組みについて分かりやすく解説して下さい



今年のノーベル化学賞をリチウムイオン電池を発明したジョン・グッドイナフ米テキサス大学教授(97)、スタンリー・ウィッティンガム米ニューヨーク州立大学特別教授(77)、吉野彰旭化成名誉フェロー(71)の3人に授賞しました。

今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。

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ノーベル賞は6つの分野に分かれています。
●化学賞
●生理学・医学賞
●文学賞
●物理学賞
●平和賞
●文学賞
●経済学賞

ノーベル賞はダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて設立された賞です。

ただ、経済学賞だけは正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」と言いまして別です。

スウェーデン国立銀行が創立300周年を記念してノーベル財団に寄付したことがノーベル経済学賞の始まりです。

電池は18世紀後半に発明されたとされていますが、2000年以上前にイラクのバグダッド郊外にあるホイヤットラブヤ遺跡で、電池としての用途ではなかったようですが、仕組みは電池と同じモノが発掘されています。

電池の仕組みはこんな感じです。
電解液(食塩水や希硫酸など)に亜鉛板と銅板の板を入れると、亜鉛板の原子が溶け出して電子が出ます。

銅板からは原子が溶けず、銅は+に亜鉛は−となり銅板と亜鉛板を導線で繋ぐと電気が流れます。

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もしかしたら小学校の実験で行ったかもしれませんね。これがイタリア人のボルタが発明したボルタ電池です。

電池はその後様々な改良がされまして沢山の種類が出て用途も様々です。

●マンガン電池・・昔からよくある電池です。小さな電力で長い時間使ったり、短い時間で大きな電力を時々使う時に使用します。

例:時計、ガスコンロの点火

●アルカリ電池・・大きな電力を継続して使う時に使用します。

例:ビデオカメラ、ラジコンの様にモーターを使用するオモチャ

用途に合わせて電池も作られているので、何の電池でもいいってわけではないんですね。

そんな中、革命的な電池を発明したのが吉野彰さんらで「リチウムイオン電池」です。

リチウムイオン電池の特徴は軽い上に高電圧(電圧が3.7Vくらい。普通は1.2〜1.5Vくらい)を維持できます。

先程例に出たマンガン電池やアルカリ電池は「一次電池」と言うのに対し、リチウムイオン電池は「二次電池」と言います。

一次電池は充電を行えず、一回しか使えません。
二次電池は充電が出来て繰り返して使用できます。(大体500回くらい繰り返して使えます。)

充電ができるとできない違いは一体何か?
非常に難しい話なのですが続けましょう。

ボルタ電池も一次電池なのですが、これを例に話していきます。

ボルタ電池は電解液の中に銅板と亜鉛板を入れて電気を作りましたね。

しかし、ボルタ電池の場合、電気を流していくとマイナス(-)極として使用していた亜鉛板はどんどん電解液に溶け出してしまいます。

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何故なら銅板(プラス(+)極)はイオン(+)が溶けにくい金属、亜鉛板(マイナス(-)極)はイオン(+)が溶けやすい金属だからです。

イオンというのは原子が電気を帯びたものを言います。プラス(+)の電気を帯びたものを陽イオン、マイナス(-)の電気を帯びたものを陰イオンといいます。

イオンとくっついていた電子(-)がマイナス極からプラス極に移動してくっつくイメージです。

だから亜鉛板が全て溶けてしまい、銅板は金属が錆びた様になってしまって使えなくなると言うわけです。

では繰り返し使えるようにするにはどうしたらいいでしょうか?

はい、マイナス(-)極からプラス(+)極へイオンが移動していたので、プラス(+)極からマイナス(-)極へもイオンが移動できればいいわけですね。

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リチウムイオン電池の場合はメーカーにもよるのですが、プラス(+)極に「コバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物」という物資を使います。

そしてマイナス(-)極には「グラファイトや黒鉛などの炭素材料」を使います。

放電する時はマイナス(-)極(炭素素材)からプラス(+)極(リチウム遷移金属酸化物)へイオンが移動させます。

そして充電する時はプラス(+)極からマイナス(-)極へイオンを移動させるのです。

こうすればボルタ電池の様に一方向通行ではなく、イオンが行き来できるわけですね。

所で何でリチウムが使われているかと言いますと、リチウムは金属の中で一番軽くて小さいからです。

小さくて軽ければそれだけコンパクトなリチウムイオン電池が作れます。

リチウムはイオン化傾向が非常に高いという特徴があります。わかりやすくいうと化学反応が起こり易いのです。

例えばリチウムを燃焼させるとやたらと燃えます。
空気中に置いておくと空気中に含まれる水分を使って反応が始まります。

化学反応が凄いという事はそれだけ高いエネルギーが発生する物質ですから、他の電池よりも高い電圧で放電できるわけです。

ただ、高いエネルギーが発生するというのは危険性もありますね。携帯電話が激しく燃える動画を見た方もいるかもしれません。

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あれはリチウムイオン電池が燃えているわけですが、間違った使い方や粗悪なリチウムイオン電池を使うとあのような状態になってしまいます。

でも安心して下さい。
ちゃんとしたリチウムイオン電池には安全対策がしっかりとしてあって滅多に燃える事はありません。

またリチウムイオンにはメモリー効果の発生がしにくいのが非常に良い面ですね。

もしかしたら「充電したらしっかり使い切ってから充電しないと電池の寿命が縮まる」と言う事を聞いた事があるかもしれません。

これは事実です。

メモリー効果と言うのはニカド電池やニッケル水素電池によく起こる現象です。

電池の残量がまだ残った状態で充電を何度もくり返してしまうと電池が「ちょっとだけしか放電しない体質」へと記憶してしまうのです。

こうなると充電して使ってもすぐに電池がなくなってしまうのです。

しかしリチウムイオン電池にはメモリー効果がほとんどありません。

だから携帯電話の電池を全て使い切ってから充電する事は必要なく、電池残量があるまま充電しても問題がないのです。

リチウムイオン電池は今も進化しており今後も私達の生活を支えてくれそうです。

これが今回のニュースですね。
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2019/10/19(土) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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