みなさんご自分で使っている電気はどこと契約していますか?
そんなもん東京電力に決まっているでしょうが!
とおっしゃられるかと思います。もちろん私の家も東京電力です。
これは東京に住んでいるから東京電力なのです。
関西に住んでいる方は関西電力に決まってるやん!といってたかと思います。
電力といいますのは、地域で決められているわけです。ですから必然的に東京地域に住んでいた場合、東京電力と契約せざるおえないわけです。
しかし、この度2016年からはちょっと違ってきます。
今までどおり、地域ごとに勝手に契約されていた電力会社ではなく、今度からは自由に電力会社をみなさんが決められます。
実は電力会社といいますのは、今みたいに東京電力とか関西電力といった大きな電力会社だけでなく、たくさんありました。
ですが、小さな電力会社ってのは市場の原理で潰れたり、他の大きな電力会社とくっついたりして今のようになってきまして、事実上は独占事業のようになったわけです。
しかし1995年からはちょっと変わってきました。
「電力だっていろんな企業がもっと参加してもいいはずだ。電力で市場に競争を持たせよう。」という声が出て、
この時に電気事業法という法律が改正されたのです。
電気事業法といいますのは電気を使う人も、電気を提供する人も、安全、安心に電気を作ったり使ったりできるようにしましょう、
という目的で作られた法律です。電気事業者はこの法律に基づいて事業を営むことになっています。
この電気事業法はこんな風に改定されました。
まず独立系発電事業者(これをIPPと言います)が電力を発電して、電力会社へ売ってもいいですよ~と言う風に変わりました。
独立系発電事業者といいますのは、例えば自分の会社でゴミを燃やしてついでにその火力で発電をしている企業ですとか、ガス会社とか、太陽発電の会社とかいろいろあります。
けっこう昔から、電力は売ることが可能になったんです。
それからまた新たに法律は変わって行って、より電力の自由化が進んでいきました。
電気を使用する建物の電力が2000KW(キロワット)で20000V(ボルト)以上の場所(例えば工場とかオフィスビルとか)に、
地域の電力会社(東京電力とか)以外の独立系電力会社でも売ってもいいですよ~という法律になったり、
またさらに自由化が進み、電力を使用する建物が50KWで6000V以上の所(例えばスーパーとか)でも売ってもいいですよ~となりました。
つまり段階的に規制が緩くなってきたわけですね。
そして、今現在言われている、2016年4月からは我々のような一般家庭でも売ってもいいですよ~と言う風になってきたわけです。
さあ、ここでちょっと疑問に思ったことはありませんか?
あの・・・電力は電線で送っているんだよね?電線って地域の電力会社が作ったものじゃないの?
はい、これが後に「発送電分離」という単語につながります。
電力は電線で当然送っています。
しかし、この電線やら鉄塔(送電設備と言います)やらはとんでもないお金がかかります。
小さな電力会社がもしこういった送電設備を作って、電力を送るとなる場合、莫大なコストがかかってきます。
それに、これ以上電柱が増えたら邪魔でどうしようもないです。
今ある送電設備といいますのは大きな電力会社(東京電力とかね)のものです。
この場合、小さな電力会社が電気を送る際は、この大きな電力会社の送電設備を使わせてもらうしかありません。
使う場合はもちろんお金がかかります。
そこで、こういう案があります。
今ある送電設備を完全に切り離しちゃって、送電設備だけに特化した会社にしてしまうのです。
例えば東京電力は今現在発電も送電も行っていますが、この東京電力をただの発電会社にしてしまうわけです。
そして、東京電力から送電設備をとって、新しい独立した会社にしてしまうのですね。
こうすれば全ての発電会社が公平に送電設備を使うことが出来るわけです。
この発送電分離は2020年4月から実施されます。
こうなると、電力会社の競争はますます加速されますね。
ただ、こうなってしまうと・・・昔のように小さな電力会社はつぶれたり、電力会社が合併を繰り返して、
結局大きな電力会社が残るのでは・・・?ということが考えられるのでは??
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自己紹介
ブログ管理人:大佐

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2016/01/10(日) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(3)