人民元切り下げ観測が拡大というニュースがありますね。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきます。
人民元といいますのは、中国のお金のです。中国人民銀行が発行している通貨ですね。
1人民元を日本円になおしますと、18.37円(2016年2月2日現在)になります。
アメリカドルですと1ドル120円ですし、ユーロだったら131円というようになります。(いずれも2016年2月2日現在)
毎日異なる国同士が、ドルや円を買ったり売ったり行っており、例えばドルの価値が上がりそうだということになれば、
買う人の人気が増えるわけですからドルの価値が上がったりします。
反対に円の価値はもうないぞ・・・と人気が下がって誰もが買わなくなってくると円の価値が下がります。
一般的に多くの国ではこのようにお金のやりとりをしていまして、これを「変動相場制」と言います。
お金の価値が変動するのでこのように呼ばれます。
変動相場制には制限がありません。
どういうことかと言いますと、例えばですが株なんかはいい例です。
株には「値幅制限」というものがあります。
例えば大佐と言う投資家がAという会社の株を買ったとしましょう。そのころはAはとても景気の良い会社で1株10000円の価値があったとします。
しかし、突如会社の売れ行きが悪くなり株価がどんどん下がってしまいました。
「早く売らなきゃこりゃ大損だ!」
しかし、こういう事態に備えて「値幅制限」というものがあるのです。
例えば「一日の取引できる時間の中でAの株価が300円下がったらもう取引できないようにします」という制約をかけているのです。
そうすることで、投資家のお金を守るように出来ているわけです。
極端に言えば、例えば1ドルが一日で1円になろうが、そういった制約は無いのでそのような事態になっても取引できる時間帯の中で中止されることはありません。(まあほぼありえないですが)
これは制限をかけてしまうと、市場が閉鎖的になってしまい自由度がなくなってしまうからこのようにしているのです。
さて中国はちょっと違います。
中国では「管理変動相場制」という制度をとっています。
先ほどの「変動相場制」には制限がありませんでしたが、「管理変動相場制」は制限があります。
毎日中国では中国人民銀行が「基準値」というものを発表しています。
そしてその基準値から(ドルに対してのみ)の上下2%以内に制限をつけていたのです。
つまり基準値から、2%以上上がってしまうような場合は取引が中止されますし、2%以上下がってしまうような場合でも取引は中止になります。
しかし、この基準値を2%から下げるわけですね。
中国はみなさんもご存知の通り、どうやらバブルがはじけて経済が衰退しています。
GDP(国内総生産(国内でどれだけ生産・消費したのかみるための指標)もさがっています。
中国の株価も下がってきます。
つまり、人民元に価値がなくなってきた・・・と世界からはこのように見られるわけです。
そのために人民元を売るわけですね。
しかし、人民元の人気が無いですから基準値が高いとすぐに基準値に達してしまいますし、価値が下がる時間も早まります。
坂道で車が少しずつブレーキをかけながら下るのと同じことです。ブレーキをかけなければすごいスピードで早く下まで降りてしまいますから、ブレーキをかけて一気に経済が落ちていくことを防ぐのです。
ですから人民元を1.9%とか1.5%とかに下げて抑えていくわけです。
今回のニュースはこの人民元の切り下げが今後も拡大していきそうだと言っているわけです。
▼大佐のブログが本になりました。

自己紹介
ブログ管理人:大佐

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2016/02/02(火) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)