レセプト債破綻というニュースがありますね。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきます。
今回のニュースは黒い話です。
投資と言うものは、なかなか怖いものですって事も同時にお伝えできればと思います。
まずは「レセプト債」というものがなんなのか?と言うことから解説しましょう。
私達はたまに病院へ行きますね。しかし、病院で精算してもらいお金を払うときには少ない金額で済みます。
なぜなら、我々のような会社に勤めている人は社会保険を毎月支払っていますし、自営業といった方達も国民保険料を納めていますから、
医療費にかかるお金というのは一部だけ払えば済むようなしくみになっているからです。
例えば10000円の医療費がかかったとしましたら、3割を払います。
この場合だったら我々の負担額は3000円です。
残りの7000円と言いますのは、病院から保険組合に請求書を届けて、残りの金額を病院側は受け取ります。
この病院が保険組合に請求している「医療の明細書」を「レセプト」と呼んでいます。
レセプト債の「債」とは債券のことです。
このブログでちょくちょく出てきましたが、債権は「借金の借用書」のようなものです。
病院側が保険組合に明細書(つまり請求書ですね)を送っているのですから、「借金の借用書」ととることが出来ますね。
この「レセプト債」というものが投資の金融商品として取引されているのです。
なんで、こんなものが投資の対象商品として取引が出来るのでしょうか?
わけがわかりませんよね。
病院といった医療機関といいますのは、診療した報酬を受け取る権利といいますのが当然あります。
先ほど言いましたように保険組合から貰うわけですが、病院が診療報酬を手にするまでには時間がかかります。
(現金を回収できるには2ヶ月ほどかかるそうです。)
このタイムラグと言うのが重要です。
病院からしましたら、早くお金を受け取りたい!という気持ちがあるのですが、なかなかお金が保険組合からこないなァ~という状態になっています。
そこで、ファンド会社が間に入ります。(ファンドとは資金という意味です。たくさんのお金を集めて運用するところです。)
ファンド会社は、病院が保険組合からもらえるお金をすぐに現金化してあげます。
その代わりすぐに現金で払ってあげるけど、数%のお金を貰うのです。
例えば・・・
①病院が100万円の医療費を保険組合に請求
②すぐに現金化できないから保険組合の代わりにファンド会社が変わりに払ってあげる
③ファンド会社はすぐに現金を払ってあげる代わりに97%の現金を病院へ払う
④ファンド会社は残り3%分を保険組合から貰う
この3%分をファンド会社のまず利益となります。
ファンド会社は、確実に保険組合からお金をもらえますからノーリスクです。
そしてこのファンド会社にみなさんが投資するわけです。ファンド会社はみなさんから投資してもらうことでさらにお金を集めることが出来ます。
そのファンド会社に投資してくれる代わりに、何パーセントかを毎月投資してくれた人達に還元するというわけです。
さあ、やっとニュースに入れます。
今回、このレセプト債を扱っているファンド会社は破綻しました。
原因はずさんな運用管理というしかありません。
病院は2ヵ月後に必ずお金を回収できるはずなのに、医療報酬が少なくなってまでも早く現金を回収したいと思うのは、
病院の経営が悪化しているような所しかありません。
次第に、この早く現金化したいと請求している額も赤字の病院ではどんどん多額になります。
多額の現金になってしまった場合、ファンド会社も買い取れなくなってしまったりもします。
また、これは金融商品ですから、証券会社に手数料をファンド会社が払って売ってますから、手数料もかかります。
次第に、運用が厳しくなり、投資家から集めたお金をそのまま投資家へ還元するといった、いわば自転車操業となってしまったのです。
こうして、このレセプト債が破綻してしまったのです。
レセプト債に投資したお金は返ってきません。その額、227億円です。
安全だと思ってたくさんのお金を投資した人達は莫大な損をこうむり、その怒りはどこにぶつけていいのかわからないことでしょう。
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ブログ管理人:大佐

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2016/02/06(土) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)