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香港ドルと米ドルの関係とドルペッグ制についてわかりやすく教えて下さい


香港、米ドルペッグ制への攻撃に対処可能というニュースがありますね。

まずは恒例の単語から見ていき、ニュースの理解を深めていくことにしましょう。

この米ドルペッグ制というのは何か?ということですが、「米ドル」「ペッグ制」という二つにわけられます。
「米ドル」普通にアメリカのドルのことを指しています。
一方「ペッグ制」ですが、ペッグといいますのは「釘を打って止めて、安定させる」というような意味です。

香港の円相場を見てみますと面白いことが分かります。
円相場といいますのは、例えば日本とアメリカでドルや円を売ったり買ったりするやりとりのことです。
1ドル100円とか120円とかよくテレビでやっていますね。
ドルと円をやりとりしていますから「米ドル/円相場」となります。

香港では「香港ドル」という紙幣を使用していますから、日本円と香港ドルを取引しているので、「香港ドル/円相場」となります

では下の図を見てみましょう。
下の図は「米ドル/円相場」と「香港ドル/円相場」のチャート図です。

為替

為替2

お気づきになりましたか?
二つの図のチャート図の流れがそっくりです。
これは実はEUが使用しているユーロでも、中国のお金、人民元でも比べても同じような感じのチャート図になります。

なんでこんなことになってしまうのか?と申しますと、香港ドルと言いますのは基本的に「固定為替相場制」というものを取っているからなんです。
「固定為替相場制」といいますのは、あらかじめ通貨を取り扱う場所で、例えば「1米ドルは香港ドルに直すと○○香港ドルですよ。」と決めてしまうことです。

ちなみに1米ドル=7.8香港ドルと決まっています。
(ただし、正確に言いますと0.05の変動許容範囲が設けられてほんの少し上下したりします。)

ですから、米ドルが円高になれば香港ドルも円高になり、米ドルが円安になれば、香港ドルも円安になるという連動現象が起きます。

このように、米ドルと固定させた為替制度を俗に「ドルペッグ制」と言うのです。

何故、香港はこんな「固定為替相場制」なんていう方法をとっているのでしょうか。
実は昔は香港は「固定為替相場制」なんていう制度は導入していませんでした。しかし1983年9月に事件が起こります。

「ブラックサタデー」なんて呼ばれていますが、香港が中国に返還されるんじゃないか??という可能性が出たことがあったのです。
つまり香港がなくなってしまうということになる可能性があったため、香港ドルが一夜にしてとんでもなく暴落したのです。

結局、香港は中国へ返還されなかったのですが、その時にこんな状況にもうならないようにしましょう。
と、いう事で「固定為替相場制」という方法をとっているのです。

固定相場制にすれば、為替損益(為替相場の変動によって発生する利益や損失)が出にくくなるのですね。

さて、一方これを導入することのデメリットもあります。
それが今回のニュースで言っていることとつながりがあります。

香港ドルの「固定為替相場制」はアメリカの金融政策や円安、円高の影響をもろに受けます。
先程、米ドルが円安になれば、香港ドルも円安になるという連動現象が起きますなんてかきましたが、アメリカの動向によって香港ドルは左右されてしまいます。

ここで、中国の登場です。
今現在、中国は経済が減退しております。
中国も米ドルと人民元で為替取引を行っているのですが、経済が減退しているせいで、人民元が下落しています。
つまり人民元の価値が下がりアメリカドルの価値が上がっている状況になっています。

こうなると香港ドルも連動して同じことが起こってしまいます。
香港ドルの価値が下がり、アメリカドルの価値があがってしまうのです。

そういった点で、現在は香港ドルが下落してしまっているのです。

この状況に、香港特別行政区政府のKC・チャン金融政策・公庫長官と言う方はこんなことを言っています。

「我々は大規模な外貨準備高と資産を持っていますから、大丈夫です。」

外国為替準備高といいますのは、外国為替市場を行うためのその国が保有している資産の額のことを言います。
まあ簡単に要約しますと「為替取引で使える金はたくさん持ってるから大丈夫やねん」と言っているのです。

今回はこんなことがニュースとなっているのですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2016/02/11(木) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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