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日産が自社株買いをしたとあったのですが、仕組みをわかりやすく解説して下さい


日産自社株買い4000億円というニュースがありますね。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきます。

日産は誰でもご存知の自動車メーカーの会社です。
奈川県横浜市に本社があり、社長はカルロス・ゴーン氏ですね。

この会社が先日自社株買いを行いました。その額は4000億円です。
自社株買いとは一体なんでしょうか?

株はみなさんご存知のあの株の事です。
会社が株を発行し、投資家のみなさんがその株を買うことによって資金を集め、それを会社のいろいろな事に使います。
この株の総数といいますのは会社によって発行する数も違っています。
では日産は一体どのくらいの株式を発行しているのでしょうか?

2/26時点では発行済株式総数は45億2071万5112株です。
こんなにもたくさんの株を発行しているのですね。

このような発行済みの株を発行した企業自身が買い戻すことを「自社株買い」と言います。

なぜ企業はこんなことをするのでしょうか?

ちょっと、日産の株価の総数ですと分かりにくいので、Aという会社が100株の株を発行しているとしましょう。
そのうち、10株をあなたがも持っているとします。
Aという企業は50株を自社株買いしました。
あなたが持っている株の数は10株のままですが、保有している比率は変わってきます。
自社株買いする前は最初は10%でしたが、自社株を購入した後はあなたの保有している株は20%となったわけです。

日産ももちろん同じことをしています。今回、日産は4000億円分を購入しました。
4000億円分を購入したので、発行済株式の総数が減ります。
投資家の持っている株の数と言うものは変わりませんが、保有している比率が上がるわけです。
保有比率が上がるということは1株当たりの価値が上がるという事になるのです。

投資家にとっては、自社株買いをしてくれるという行為は自分の株価の価値が上がりますから、
投資家のことを考えてくれている!と思わせる嬉しい行為なのです。

また従業員にとってもうれしいことがあります。
「もし従業員持ち株制度」何ていう制度があった場合は、従業員は自分の会社の株を一定の価格で買うことができます。
そうなった場合、従業員が持っている株の価値も上がりますから、うれしいことですよね。

その他、自分の会社が安いと思って自社株買いをすることは、将来はまだまだ自分の会社は業績が伸びるぞ!
とアピールすることもできますし、信用も得られるわけです。

自社株買いをする企業というのはいろんな面で人気が出るわけですね。

ですが・・・。
ここでちょっと疑問を持ってみてください。

確かに投資家にとってはうれしいことです。しかし「会社側の利益」という面で見てみましょう。
会社は自分たちの会社で余裕のあるお金を使って自社株買いをします。
自分たちの会社が自分たちのお金を使って買ったら・・・

会社の利益は結局プラマイ0なんじゃないか・・・??

と思う方もいるかもしれません。
それは・・正解でもありますし不正解でもあります。

わざわざ自社株買いなんてしなくても良い方法なんて実はたくさんあるのです。
例えば配当金をあげる方法もあります。
株を購入して、企業の利益が出たら株主に還元するお金を配当金と言いますが、この額を増やせばいい話ですよね。
わざわざ自社株買いをするよりは単純な方法です。

自社株買いをするというのは、投資家に還元するという表向きの顔もありますが、裏の顔もあることを知っておくことが必要です。
世の中、残念ながらそんな単純ではないのです。

例えばです。
もしその会社が表向きはとても儲かっている会社のように見えて、実はたくさんの赤字を抱えていているのに、自社株買いをしました!と発表したらどうでしょう。
自社株買いをした会社というのは人気が出ますから、多くの投資家がその会社の株を購入します。
その購入してもらったお金を赤字に補てんしていたら・・・?

まあ、これは少し極端すぎる例です。
自分の会社の利益を偽る行為は禁止されていますからね。
ですがあり得ない話でもありません。

では、もう一つ
この自社で買った株と言うのはどうなるでしょうか?

ほとんどは、自分の会社でこの買ったこの株というのは保留にしたままにしています。
が、最終的には「償却」か「売却」という方法の二通りしかありません。

まず「償却」ですが、これは完全に株式を消してしまう方法です。
ないものとしてしまいますから、発行株式の総数は減ったままとなり保有している株の比率は高いままです。
これは投資家にとってはうれしいことです。

しかし、「売却」した場合は違います。
例えば、どこかの会社にその自社株買いした株を売ってしまいます。
そうすると結局、発行株数は元に戻ってしまいます。
つまり保有している比率は元に戻ります。

そして投資家もこんな風に思ってしまいます。「また発行株数が増えた・・・これは株価が下がってしまうかも」
そういう思惑が働いて、持っている株を売却する人が増えます。

このような現象で株価が下がってしまうこともあるのです。

一時的に会社が株価を吊り上げたいときに自社株をもしかしたら行っているかもしれないですし、
単に投資家にアピールするために行っているかもしれません。
こればかりは、投資家にとっては非常に難しい判断となってしまうのですね。

今回のニュースでは日産は単に投資家の為に自社株買いをしたようですが、自社株買いをした本当の意図は別にあるのかも知れませんね。
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大佐
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2016/02/28(日) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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