パキスタン19歳の女性が婚姻を断り殺害されるというニュースがありますね。
このニュース、非常に痛ましいニュースですね。
私達日本人には、時として他国の文化や宗教の概念があまりにもぶっ飛びすぎていて「何故??」といいますか「意味が不明」となることがあります。
ですから宗教や文化の違いを見ることで、このニュースも少しは解りやすくなるかと思います。
まずパキスタンがどこにあるかを確認しましょう。
ここです↓

インドとアフガニスタンの間にある国ですね。
パキスタンと言う国は「ウルドゥー語」と「英語」を言語として使用し、首都は「イスラマバード」です。
人口は一億8800万人ほどです。
もともとはイギリス領だったのですが、独立を行い、その後何度もクーデターによる戦争や分離独立による戦争をしてきました。
宗教は「イスラム教」です。
そんな国なのですが、5月30日、首都のイスラマバードで学校教員であるマリア・サダカットさんが集団で暴行を受けて、ガソリンを体にかけられて殺害されてしまいました。
サダカットさんは教員のお仕事をしていましたが、その学校の校長先生の息子に求婚をされ断ったところ襲われて殺害されてしまったとのことです。
なぜこんなことをされてしまったのでしょう?
日本ではさっぱり殺害される意味がわからないニュースですよね。
これには、宗教や部族といった原因が関係してくるのです。
まず、宗教であるイスラム教ですね。
イスラム教圏で生きる女性達は、男性よりもかなり下に見られてしまっています。
いわゆる男尊女卑ってやつです。
男性の前で肌を露出してはいけないので、「ヒシャブ」という全身黒の服を身にまとっています。
イスラム教の教えが濃いところでは教育も認められていませんし、とにかく男性に従わなくてはなりません。
ちょっと前に、テレビで14歳の少女マララさんという方が、イスラム過激派組織をインターネットで批判していたところ殺害されそうになったのも記憶に新しいかと思います。
女性は基本的に一人で歩くのもあまりよろしくないですし(場所によっては禁止)とにかくイスラム教圏にいる女性にとっては、日本の女性からみたら窮屈に見えるかと思います。
これはもうそういう宗教にいるのですから、私達日本人が変だと思っていても宗教を否定することも賛成することも出来ないですし、彼らには彼らの信念とする宗教の中で生きているのです。
そして、もう一つ、部族です。
非常に彼らは「部族」と言うのを大事にしている部族社会です。
ちょっと解りにくいですが、親戚とか家族の絆がすごく強く「一心同体」なのです。
その中でも特に強い権限を持っているのが、「部族長」なんですね。
部族長はもちろん男性で60~70歳くらいの老人が殆どです。(中には若い人もいます)
部族長は、自分達の部族を守らなければならない義務があります。
例えば部族の誰かが自動車事故を起こして殺してしまった場合、その部族長が出て話し合い、イスラム教に沿った方法で解決をします。
国家の法律より部族の話し合いで物事を解決していくのが主流のようです。
ですから、警察官もどこかの部族に所属しているので、仮に警察官が所属している部族で間違って人を殺しても、部族の中で生きている以上、警察官も部族長の決定に従ったりもします。
国家より部族で物事を解決するって感じですかね。私達日本人にはよくわかりません。
今回サダカットさんが残念ながら殺されてしまったのは、やはりこの「宗教」と「部族」が非常に起因しているのです。
サダカットさんは求婚を断りました。それは男性を否定したのと同じことです。
宗教上、男性のほうが優位である彼らの行き方で、非常に屈辱的なことなわけです。
そして、屈辱的な事は当の本人だけでは収まりません。
「部族全体が屈辱を受けた」という風にとらわれてしまうのです。
こういったことで、あの娘を殺せ!となってしまうのです。
しかもこの殺害は家族の名誉を守ったということで、正当化されたりしてしまいます。
こういったことを「名誉殺人」と言います。
名誉を守るために人を殺した。だから正当だ。というわけです。
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ブログ管理人:大佐

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2016/06/02(木) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)