夕張市人口9千人割るというニュースがありますね。
夕張市は北海道ですね。夕張市と言ったら、夕張メロンが思い浮かぶかと思います。
そんな夕張市はかなり深刻な状況となっています。
夕張市はかつて、炭鉱で町が栄えていました。
北炭夕張炭鉱(ほくたんゆうばりたんこう)というのが有名です。
炭鉱は1892年から掘り出されるようになりましたが、相次いでガスの爆発事故が続き、石炭を掘り出す条件が悪化したために閉山となりました。
夕張市で炭鉱が栄えると共に人口が増加し、最盛期では昭和35年に11万7千人の人口となりましたが、その後は一気に人口が減っていきました。
結局、全国都市中で人口激減率は「第1位」という記録となってしまいました。
「炭鉱」という働き口がないというのは、その市にとっては経済的にも人口の減少にもかなりの痛手でした。
そこで、夕張市は新たに「観光」に力を入れ始めました。
しかしながら、観光業を生業にするにしても、いろんな設備にお金がかかります。
そこで観光業に投資するための資金が集められました。どうやって集められたかと言いますと「地方債」です。
地方債といいますのは、いわゆる借用書です。
国は「国債」というものを発効して、それをみなさんに買って貰い、国を運営し、最終的に期限が来たら買ってくれた人に利子をつけて返すのですが、
地方債はその国債とほとんど変わりません。国が地域になっただけです。
しかし、観光と言いますのはその場所の文化や風土、歴史といった要素がしっかりと持ち合わせていなければ、観光都市として栄えることは出来ません。
付け焼刃で観光業を急にしようとしても、そう簡単にはうまくいきません。
宿泊施設などのホテルやいろいろなものにお金を投資しましたが、完全に「失敗」でした。
おまけに炭鉱の閉山にも多額の費用がかかり、その赤字を隠すために不適切な会計処理を行ったりで、気づいたときには、とんでもない金額の借金を夕張市が抱えていました。
そして、2007年3月6日に財政破綻しました。
ちょっと夕張市のホームページを見ると面白いのですが、1秒ごとにいくら借金が膨れ上がっているか「借金時計」というものが設置してあって見ることが出来ます。
http://www.city.yubari.lg.jp/contents/municipal/zaisei/s_tokei/
今現在は435億円借金があります。
さて、借金を抱えてしまった地域はどうなるか?
それはもう、公務員の給料は下がりますし、道路などのインフラ設備も直せない、病院も運営できないですし、会社だってそんな地域に集まりません。
したがって、みなさん引っ越してしまいます。
そうやって、引っ越していった現在の人口が9千人を割ってしまったというのが今回のニュースです。
▼大佐のブログが本になりました。

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ブログ管理人:大佐

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2016/06/08(水) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)