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ベネズエラ市民が貧困で略奪行為を行っているというニュースがあるのですが、わかりやすく理由を教えてください

ベネズエラ、略奪行為で死者4人 数百人逮捕というニュースがありますね。

まずはベネズエラがどのような国なのか確認しましょう。
ベネズエラは南アメリカの上の方にある国ですね。
人口は約3000万人、首都はカラカスと言う名前です。
昔はスペインの植民地でしたが、独立運動をして今現在の存在に至ります。

昔はカカオとコーヒー豆の輸出で盛んな国でした。
しかしその後、石油が発見されたことにより、石油の輸出で利益を得るようになりました。

ベネズエラの石油埋蔵量はなんと現在では世界第一位です。
あのサウジアラビアよりも多いです。

石油がこんなにも出るのでしたらとても豊かな国なんじゃ?なんて思われるかもしれませんが、略奪行為で死者4人なんていうニュースが流れるなんて変な話ですね。
ベネズエラはこんなにも資源の豊富な国なのに、実状はそうでもないわけです。
これが今回のニュースと絡んでくるわけなんですけどね。

ベネズエラの国のGDP(国内総生産=自分の国だけでの生産、消費した総計)は世界でも43位。
普通ならもっと上位の方に来てもよさそうな位置づけです。

先程も軽く書きましたが、頼っているのは原油資源です。そして原油からの外貨の獲得として、約90%以上依存しています。
この国で一番怖いことは何かと言いましたら、そう「原油の価格が下がる」ことです。

実は、ベネズエラの石油会社というのはほとんどが国有化(国のものにしてしまうこと)されています。
そもそも昔は大手の石油会社はたくさんあったのですが、ボリバル革命という革命があった以降は国有化してしまい、国が原油の統制(価格とか生産量とかも全部国でおこなっている)をしてしまいました。

しかしながら、国が統制をとった事によって深刻な問題が発生しました。

原油と言いますのは、掘る際にとてもお金がかかります。
そして、掘れば掘るほど生産コストというのは高くなっていきます。
これは掘れば掘るほど地中内部のガス圧が増したり、危険度が高くなったり、掘削する機械のメンテナンスコストなどがかかってくるからです。
原油を掘り出すには、ある程度まで掘ってしまったら、新しい場所を探したり、機械のメンテナンスなんかもしなければなりません。

それらをしないと、原油の生産力は極端に下がってしまうのです。
しかしながら、国はこの対策をせずに来てしまいました。

さらに、あまり商業価値の無い原油である「超重質油」を掘り出して使用する事も問題でした。
ベネズエラにはオリノコ川という川があるのですが、この流域に「超重質油」という原油が大量に眠っており、それを掘り出すことになりました。

しかし、この「超重質油」というのはなかなか曲者で、使用するにはこれを一度処理しなければいけないのです。
一度これを処理するのにもお金がかかります。

さあ、そんな中で皆さんもご存じのここのところの原油安です。
今は少し回復はしてきましたが、しかしながらベネズエラの原油は採算が合いません。
国の外貨を稼ぐ方法として90%以上を依存している国にとっては、大きなダメージなのでした。

掘り出した原油も結局は安くないと売れないですから、安く売りますが現在では「水より安い」とまで言われています。
つまり国が原油に依存しすぎてしまったことと、国の原油経営が失敗だったわけです。

経済は衰退していき、仕事がなく、治安も悪くなる・・・これはどの国でも同じですね。
そういったことで、街では略奪行為が行われ、貧困が多発しているのですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2016/06/18(土) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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