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沖縄うるま市で殺された女性と、日米地位協定の関係をわかりやすく教えてください

沖縄、日米地位協定の見直し求めるというニュースがありますね。

今回は、沖縄の話です。
少し前に、沖縄のうるま市で4月下旬から女性会社員(島袋里奈さん)が行方不明になり、5月19日にアメリカ国籍の元米兵の男性を死体遺棄容疑で緊急逮捕しました。
その後、元米兵の男性の供述から恩納村(おんなむら)の雑木林で行方不明だった女性会社員の遺体が発見されました。

沖縄では、このように駐留する米兵が日本人を殺害したり、強姦したりする事件が戦後から続いてきました。
特に現在では減りましたが、戦後の沖縄では酷く、若い女性が強姦され殺されるという痛ましい事件が多発していたのです。
沖縄ではこのような事件から身を守るために自警団という集団を作ったりして、未然に防いだり、反対運動を起こしたりと涙ぐましい努力をしてきました。

こういった犯罪で必ず出てくるのが、「日米地位協定」という単語です。

戦後、日本は「日米安全保障条約」という条約を結びました。
日本とアメリカが戦争をしないで平和に助け合ったりしながら、暮らしていきましょうという条約です。
そんな条約を結び、日本にアメリカ兵が駐留し、何かあったときに助けてくれるような関係になりました。

しかし、問題が発生しました。
日本にいるアメリカの兵隊というのは、日本の法律に従うべきなの?それともアメリカの法律に従うべきなの?
というような法律的にはどのような地位にいたらいいのかわからなくなってしまったのです。

そこで、日本とアメリカは「日米地位協定」というものを1960年に結びました。
日本にいるアメリカの兵隊について、どのような取り扱いをしたらいいのか?という協定です。

日米地位協定には、いろいろと記載されているのですが、その中でも特に問題となっているのが「17条」です。
難しくかかれていてよくわからないと思いますので、簡単に翻訳しますと、「もしアメリカ人の兵隊さんが犯罪を日本で起こしてもアメリカの裁判や法律が優先」ということです。
(ここまではっきり書かれてはいませんが、現状はアメリカと日本はこのような関係になってしまっているのです。)

例えば日本でアメリカの兵隊さんが、日本人の誰かを殺したとしましょう。
しかし、この協定のせいで日本の警察が、そのアメリカ人の兵隊さんをすぐに逮捕することができません。
あくまでアメリカの法律によって逮捕されることになります。

そして、アメリカの検察(取り調べをしたり、証拠を発見したりして、事情を明らかにした上で起訴する人達)が起訴した後に、
初めて日本人にその犯罪を犯したアメリカ人の兵隊さんの身柄を引き渡されるようになっています。

つまり、日本側にとっては、捜査を満足にできません。
アメリカの兵隊さんと日本人の間で犯罪が起こったときはとても面倒で、とても不利なことになってしまうのです。

その他、別の例ではアメリカ軍の戦闘機が沖縄の民間の家に墜落したとしましょう。
もちろんこれも、アメリカが優先でして、捜査はアメリカ側で行われてしまいますし、日本の消防車がすぐに火を消すことさえも難しいのです。

ジラート事件なんてのは特に有名な事件かもしれません。
ウィリアム・ジラートという兵隊が面白半分に基地の敷地内へ入った(銃の薬きょうを拾ってお金にしていた)日本人女性を撃ち殺してしまいました。
この容疑者は休憩時間中にこの事件を起こしました。

日本では「この容疑者の裁判は、任務外(休憩中)に起こしたのだから日本でやるべきだ!」と主張しました。
しかしアメリカ軍は「いいや、任務中(休憩も任務のうちという考え)だからアメリカの裁判だ!と主張しました。
この論争は非常に激しいものになりました。

結局は日本で裁判が起こされましたが、なんとこの容疑者は「懲役たった3年」という判決で終わったのです。
実は、日米間でこの問題が大きくなりすぎてしまい、「処罰を最低限度軽くしよう」という協定が日米の間でひそかに行われていたのです。

このように、「日米地位協定」というのは日本とアメリカに平等にできているのではなく、アメリカ優先な協定となってしまっているのです。
この問題に対して、今回、女性が殺されてしまったことも踏まえ沖縄の主張している「この地位協定を見直すべきだ」ということに安倍首相が「成果をあげたい(地位協定を見直すようにしてみます)」と言ったことがニュースとなっています。
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大佐
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2016/06/24(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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