インドで突然使用している1000ルピーと500ルピー紙幣が使えなくなってしまったことがニュースとなっています。
どういうことかわかりやすく解説をして見ましょう。

インドのお金の種類は高価も入れますと15種類あります。
お札でしたら、1000ルピー、500ルピー、100ルピーといったように7種類、硬貨でしたら5ルピー、2ルピー、50パイサという感じで8種類もあります。
お札にはみなさんもご存知のガンジーの肖像が描かれています。
この中の1000ルピー(日本円で1600円ほど)、500ルピー(日本円で800円ほど)紙幣を「これから使えませんよ」と発表したのです。
まず、だれもが「高額紙幣を無効にしたら、みんな高額紙幣を持っている人は、多大な損をしてしまうじゃないんですか?」と思うかもしれませんよね。
ですが、この高額紙幣の無効化はある意味「荒療法」と言えるのです。
低所得者や一般人といった人達がたくさん住むインド。
実はあまり影響が無いといわれています。
何故なら、日本円ですと1000ルピーの価値は4、5万円の価値があります。
ですので普通の市場では1000ルピー札はあまり見かけないのです。つまり低所得者や一般人の間ではあまり使われていない紙幣なんですね。
また、高額紙幣で持っている場合は、確かにただの紙切れとなってしまいますが、11月10日から12月30日までに銀行に行って、銀行の口座に預ければ問題ありません。
それに銀行で小額紙幣に換金してもらえれば大丈夫です。
では何故、急にこんなことを行ったかと申しますと、理由は2つあります。
一つ目は「偽造紙幣」の根絶です。
日本では紙幣の偽造防止の為にさまざまな工夫がされていて、簡単に偽造ができないようになっています。
しかしインドでは、非常に偽造紙幣が多いのです。
もちろんそれは、偽造防止の為の技術力が低いからです。
2つ目は「脱税」や「汚職」対策です。
偽造紙幣を根絶よりかは、どちらかというとこちらが主な理由が多いようです。
インドと言う国では、基本的に現金決済というのが主流です。(つまり銀行を通したりしない)
インドの5割の人達が銀行に口座を持たないのもこのためだとも言われているのです。
一般人や高所得者もこのように現金決済を裏で行ってしまうので、本来は税金がかかるのに勝手に裏でやりとりしてしまうのですから税金がかからないわけです。
税金が高額になって損をするぐらいの金額ですから、当然現金決済では高額な紙幣1000ルピー、500ルピーが使われます。
高額紙幣が廃止になるなら、小額紙幣を使って裏で取引すればいいかもしれませんが、たくさんの紙幣があったら目立ちすぎます。
ですから結局は、「銀行に口座を作るか」、銀行で「お金を小額紙幣に換金」するしか選択肢はなくなってしまいます。
銀行へ口座を作って高額紙幣をどんどん預金したとしても、不正に儲けたり脱税した人はすぐにわかってしまいます。
また、先ほど小額紙幣に換金すれば問題ありませんと言いましたが、換金は一日に4000ルピー(6400円)までしかできないようにしています。
このような荒療法で不正に現金を持っている人にとっては、確かにどうしようもありませんよね。
インドでは1000ルピーは67億枚、500ルピーは165億枚、政府は発行してしるのですが、恐らく市場にはもっと出回っているはずです。
ちなみに、政府は旧紙幣を無効にする代わりに新しい2000ルピー札と500ルピー札を発行しました。
こういった方法は「マネーロンダリング(資金洗浄)」といわれて、過去にヨーロッパでも行われたんですよ。
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2016/11/16(水) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(2)