ロシアの外務省がプーチン大統領の命令に基づき、国際刑事裁判所から脱退をしたことがニュースとなっています。
どういうことかわかりやすく解説をして見ましょう。

まずは国際刑事裁判所というものが何なのか?と言うことですね。
国際刑事裁判所といいますのは、ICC(international criminal court)と世界では呼ばれています。
ある集団殺害犯罪や、人道に対する犯罪、戦争犯罪をした者を審議して処罰する機関です。
要は国際的な裁判所ということですね。
国際刑事裁判所はかなり昔から世界で構想されておりました。
第二次世界大戦の後には、戦争犯罪人の処罰の為に、極東国際軍事裁判所や国際軍事裁判所といったものが設置され、戦争を指導して来た人達が裁かれました。
東条英機(とうじょうひでき)を始め、日本の軍人が極東国際軍事裁判所で裁かれたのは有名です。
その後、いろいろとありまして、2002年に7月1日にICCが活動を開始しました。(ハーグという場所に国際刑事裁判所が設置されています。)
国際刑事裁判所ではいろいろな国から法律などに詳しい専門家達が加わっており、加盟国は123カ国(2015年)にのぼります。
日本は2007年7月17日にICCに正式に加入を致しました。
さて、そんな国際刑事裁判所ですが、ロシアも「一応の参加国」として加わっておりました。
この「一応の参加国」というのがキモでして、正式には実はロシアは加盟国となってはいないのです。
(ちなみにアメリカ、中国も正式な加盟国となっていません。)
ロシアは確かに国際刑事裁判所の設置に署名はしましたし、一応、毎年行われる会議においても、ロシアは代表団を送って参加しています。
ですが、批准はしていないのです。
批准と言いますのはその条約、決まりごとを私達の国も取り入れて守りますよという事です。
そんな微妙な立場でいるロシアは、11月16日に「真に独立した権限を持つ国際法廷になるという期待に応えられなかった」と言い、離脱を発表しました。
原因は、国際刑事裁判所の存在意義とロシアの立場です。
参加加盟国はこの国際刑事裁判所に毎年お金を払って、そのお金で会議や裁判を行うのですが、ロシアは国際刑事裁判所ができてから今までに10億ドル以上を払ってきました。
しかしながら、「わずかこれまでに4件の判決しか行わなかった」と言うことで、存在の意義がないと判断をしたわけです。
日本でも毎年23億円ほど払っていると言われています。
また、ロシアは隣国であるグルジアと仲が悪く2008年に紛争を起こしています。
クリミア半島をロシアが占領したというニュースは世界で大きく流れました。
各国はそれに対してロシアを強く非難しました。
フランスの大統領はロシアはICCで戦争犯罪について問う必要性があるとも述べていました。
ロシア側にとっては、ロシア側の事情があるのでICCに裁かれる理由なんてないと思うのは無理ないかもしれません。
そういった理由から、何だよ!ICCって!こんなもの離脱してやる!
ということになったわけですね。
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ブログ管理人:大佐

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2016/11/18(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)