ドナルド・トランプ次期大統領が、TPPの離脱を表明しましたね。
アメリカが離脱宣言をした後に、各国がいろいろと動き出しました。

まず、TPPが何であるかおさらいをしましょう。
TPPと言いますのは環太平洋経済協定の略称です。
太平洋の周辺にある国同士で、物やサービスというものを売買する時にルールを作って、ルールを守ってお互いの国の経済を発展しましょうというものです。
このTPPに良く出てくるのが「関税」ですね。
関税と言うのは、自分の国の商品(サービスも含む)を守るために作られた税金です。
例えば安い海外の商品が輸入されたら、みなさんは国内の高い商品を買うより、安い方を買ってしまいます。
こうしてしまうと国内のものが買われない為に、海外の商品に税金をかけて、国内の商品と同じぐらいの値段になるようにさせるという行為です。
この関税をTPPに参加している国同士が外したり、金額を下げたりするわけですね。
さて、そんなTPPの離脱を宣言したのがアメリカ次期大統領、ドナルド・トランプ氏でした。
「TPPはわが国にとって災難になりうる」と告げ、一方的に離脱しました。
TPPをアメリカが離脱しますと、TPPは事実上できません。
というのは、TPPには以下のような発行条件があるからです。
①参加する12カ国が2年以内に国内手続きをすれば発行されます。
②上の条件が満たされなかった場合、12カ国のGDP(国内総生産)の85%以上を占める、6ヵ国が手続きを終えれば発行されます。
もっと短絡的に言いますと、既に12カ国の中の一国、アメリカが抜けてしまうから①の条件はもう満たされません。
また、GDPは60%以上をアメリカが占めているので、②の条件も満たすことができません。
ちなみにアメリカが残って、日本が抜けてもTPPは発行されません。
なんともTPPといいますのは脆い協定であるのです。
では事実上できなくなったTPPにアメリカ以外の国はどうしていくのでしょうか?
■日本
日本ではTPPを自分の国の成長のための柱としておりましたが、ダメっぽいのでアメリカを説得していくというスタイルです。
■メキシコ
アメリカが抜けても発行できるように条件を変えましょうというスタイルです。
■ニュージーランド
ニュージーランドは既に国内で手続きを終えました。日本と同じでアメリカを説得していくスタイルです。
■ペルー
アメリカ抜きでも発行できるようにすることを考えたほうが良いが、もしできない場合は、中国やロシアといった国々と新しい協定を結ぶことを提案しますというスタイルです。
■ベトナム
TPPに参加する意味がなくなったので、私達の国も抜ける方向ですというスタイルです。
■マレーシア
TPPがダメだったら、中国主導の貿易協定に参加する予定ですというスタイルです。
全部は書ききれないのですが、各国ではこのように考えています。
TPPの発行はやはり困難なようですね。
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2016/11/23(水) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)