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反ダンピング関税(不当廉売関税)の申請を簡単にするというニュースがありますが、わかりやすく教えてください。


2017年度から財務省と経済産業省は反ダンピング関税の申請をしやすくするというニュースがありますね。
どういうことかわかりやすく解説していきましょう。

小麦はたけ

まず、ダンピング関税というものが何かということから始めましょう。

ダンピング関税といいますのは日本語に直すと「不当廉売関税(ふとうれんばいかんぜい)」と言います。
ダンピングの前に「反」と付いてますが、これはよく報道されるときに「反」という文字をつけて「反ダンピング関税」と呼ばれたりしています。

物には正常な価格というものがなければいけません。
生産者も納得する価格で販売でき、消費者にとっても納得できる金額です。

このバランスは非常に難しいところですが、どちらかが偏りすぎてしまった場合、生産者もしくは消費者が損をしてしまいます。

では問題を出します。
日本国内で生産されている小麦の価格より異常に安い値段で海外から輸入されて、そのまま販売された場合、誰が被害を受けるでしょう?

答えはこんな人達が被害を受けます。

まず、日本の国内の小麦を作っている農家さんですね。
自分達が作っているよりも異常に安い値段で売られてしまったら、みんなそれを買ってしまいますから、日本の国内の農家さんは儲かりません。

次に海外の農家さんです。
異常に安い値段で輸出されてしまうと言うことは、海外の農家さんは異常に安い値段で売ってしまうことになります。
これでは海外にいる農家さんも儲かりません。

その他には、卸業者さんも儲けることがほとんどできません。
小麦を運ぶ運転手さんも儲けがほとんどでません。

異常に安い値段で売るということは、この小麦に関わる全ての人達に被害をもたらします。

こういったことがないように、税金をかけて、国内と輸入品のバランスを保つようにするのですね。
バランスを保つことで、国内の産業も守れますし、海外の人達も結局同じような値段で輸出することになるので、安すぎる値段で交渉できないようにできます。

貧困国なんかは特に安い値段で交渉されてしまいがちですから、国内で売られている値段より安い値段で輸出することを禁止しています。
これらはWTO(世界貿易機関)という所で決められ、ダンピング関税は多くの国で取り入れられています。

日本国内でもWTOに基づき、「関税定率法」という法律が定められております。
ダンピング関税に関しては日本ではこんな感じになった時に発動されます。

・日本の国内産業が輸入された物によって損害の事実があること。
・また損害の因果関係が明白にあること。
・国内の産業を保護する必要性が出てきた場合。

ダンピング関税は基本的に「国内の生産者から課税するように求められた場合」に調査が行われ、最終的に決定される仕組みになっています。

しかし、このダンピング関税の最終決定までにはかなり面倒な手続きがあります。

まずは書面で、こんな安い商品が出回ってしまっているから、なんとかしてよ!という書面から始まります。
しかし、この書面はなかなか面倒です。

その後に証拠を提出しなくてもいけません。

輸出者に対しての質問状や、産業上の使用者に対する質問状、訴える構成員の数・・・

とにかく面倒な手続きが盛りだくさんです。
結局、面倒くさくてそのままにしてしまうと言うのが、目に見えており、そのまま放置という結果になります。

そこで、財務省と経済産業省はもっと簡単に手続きができるようにしました。

それは構成員の改正です。

以前は『申請に係る製品の生産者が過半数以上であれば』団体でダンピング関税を申請することができましたが、多すぎる人数と言うのは事が進まない一つの要因です。

そこで、『申請に係る製品の生産者が2以上であれば』すぐにダンピング関税を申請することができるようにしました。

簡単に言いますと、以前より人数が少なくてもダンピング関税の申請をすることができますよとしたわけです。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2016/11/25(金) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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