大隈さんのノーベル賞はどのような研究だったのか、わかりやすく教えてください。


先日、12月10日午後7時(日本時間では11日午前3時)、ノーベル賞をとった大隅さんの授賞式が行われました。
大隅さんの研究とはどういう研究だったのかわかりやすく解説していきましょう。

オート~1

大隅良典(おおすみ よしのり)さんは、東京工業大学科学技術創成研究院の栄誉教授です。
今回受賞したのはノーベル生理学・医学賞をですね。

大隅さんが発見したのは「オートファジーの仕組みの発見」です。

オートファジーとは、オートとは「自分」、ファジーとは「食べる」ということで日本語ですと「自食作用」と言います。

どういうことかといいますと、あなたの細胞は毎日新しい細胞と入れ替わっています。
大体ですが、たった一日で1兆個もの細胞を入れ替えていると言われています。

しかし、新しい細胞と入れ替わる一方、古い細胞と言いますのは、そのまま体の中に残しておくわけには行きません。
そこで、体の中でもこの古くなった細胞の掃除が行われるのです。

この不要になった古い細胞の処理の仕方には2つ方法があります。

一つは、要らなくなった細胞に「印」が付けられて、それを処理する方法です。
私達が、「いるもの」、「いらないもの」と紙に書いて、それを不要なものに貼り付けて捨てていく感じですね。

これをユビキチン・プロテアソーム系と言います。

ユビキチンというものが、特定のたんぱく質にくっついて、それが「捨てられるもの」という目印になるのです。
(この発見で2004、年ノーベル化学賞を工科大学のアーロン・チェハノバ教授(57)、アブラム・ヘルシュコ教授(67)、カリフォルニア大学アーバイン校のアーウィン・ローズ博士(78)に送られました。)

もう一つが大隈さんが発見したものです。
「自食作用」、つまり自分自身を食べる(分解する)方法ですね。

先ほどは、一つ一つ「いるもの」、「いらないもの」とわけていましたが、こちらは大胆です。
例えるのでしたら、いちいち一つ一つを確認せずに、大掃除で一気に要らない本やら、ゴミなんかを大きなゴミ袋に入れて捨ててしまう方法です。

実際の細胞ですと、いらなくなった細胞に大きな袋が現れて、細胞を囲ってしまいます。
そしてタンパク質を分解する「リソソーム」というものが現れて、これにくっ付いてリソソームに含まれる酵素によって分解されます。

そんな風に、ちょっと大雑把に一気に行うやり方が「オートファジー」なのです。
じゃあ、なんで「自食作用」なんて呼ばれているのでしょう?

それは、この捨てられた細胞と言いますのは、再利用されているからですね。
先ほど、いらなくなった細胞が最終的に分解されましたが、その後はまたこれを原料にしてふたたびタンパク質が作られるのです。

そう、みなさんはほぼ毎日「タンパク質」を食べ物から通して摂取していますが、体の中でも分解されたものからタンパク質が作られて、それが栄養となっているのです。
簡単に言えば「リサイクル」ですね。それが「自食作用」と言われる理由です。

実はこの動物細胞の中身が分解される仕組みがあることは知られていたのですが、どのような仕組みなのかはわかりませんでした。
そこで、大隅さんは研究したのですね。

ここで出てくるのが「酵母」です。

大隅さんは動物の細胞ではなく、微生物の一種「酵母」に注目して研究を行いました。
何故なら、酵母は動物細胞と基本的な仕組みが近いからなんですね。

大隅さんは酵母のなかで起こるオートファジーを電子顕微鏡写真で撮影し、「オートファジックボディ」を観察することができました。
要は袋に包まれた状態になったことを確認したのです。

つづいて、今度はオートファジーになる酵母と、ならない酵母を見比べました。
見比べなければ、何が必要なものなのか、必要じゃないものなのかわからないからです。

このオートファジーにならない酵母を見つけるのもとても大変なことです。
どこから探すのかと言いますと、このオートファジーが起こる酵母のDNAに、わざと傷をつけてオートファジーが起こらない酵母を見つけるのです。

これを気の遠くなる回数を繰り返して、ようやく一つだけオートファジーにならない酵母の(遺伝子)を調べ、その遺伝子をapg1と名付けました。
そうやって、酵母の遺伝子を見つける方法を洗練して、やっと解明することができたわけですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
趣味は家の掃除からバイクまで幅広く。 IT関係の会社員をしながら、当ブログの更新や若い方中心にニュースをわかりやすく解説しています。 また、WEBライターのお仕事もさせて頂いています。 ライターのご依頼はコチラ

2016/12/12(月) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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