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原発事故の賠償金を他の電力会社でも負担する理由をわかりやすく教えてください。


東京電力の福島第一原発事故の賠償費用が私達の負担になることになりました。
どういうことか、わかりやすく解説していきましょう。

げんぱつ

東京電力の福島第一原発を廃炉(完全に原発をなくしてしまうこと)にしたり、原発事故によって損害を受けた損害賠償の金額は、当初11兆円でした。

しかし、その後どんどんと膨らんでいって現在は21兆円ほどとなっています。
こうなってしまうと、いくら東京電力でも回収することはなかなか困難です。

おまけに、この金額は少しずつ増えていたりします。
何故なら、新たに訴訟する人や、賠償しなくてはいけない人達が増えてくるからです。

そこで、東京電力は2.4兆円を上限にして、国民に負担してもらうようにしました。

何故、2.4兆円を上限にしたかと言いますと、先ほども言いましたように、損害賠償や廃炉のお金が増え続けているからです。
どこかで上限を儲けなければ、ずっと払い続けなければならなくなります。

大体ですが、一家族から、月に18円ほどを負担してもらい、それを40年間ほど行うというのです。
18円×12ヶ月×40年間ですから、金額は8640円と言う計算になりますね。

これを考えたのは経済産業省という所です。
なぜ、東京電力だけではなく経済産業省という所が関わっているかといいますと、やはり大きな会社ですし、電力を扱っているので国もこういった会社が潰れてしまうと、国民にも影響が出るので密接に関わっているのです。

この経済産業省にいる有職者会議で、東京電力をどのように再建するのかとかなどを話し合いをしているというわけです。

恐らくこのニュースで「何故私達が負担しなければいけないの?」
「しっかりと国会で話し合って決めてください」と思う方もいらっしゃるかと思います。

しかしながら、この有職者会議といいますのは、この方達(つまり国です)が決断を下すわけではありません。
あくまで最終的に会社側が決断をして電気の利用料金に上乗せをするので、国会で審議されることなく、決まった時点で行われます。

さて、うちは東京電力使ってないから関係ないです~と安心している方もいるかもしれません。
残念ながらそうは行かないのです。

実は、この2.4兆円という金額は「送配電網の利用料から回収する」ということになっています。

どういうことかといいますと、これを知るには「発送電分離」という仕組みを知らないとわかりません。

電力会社は今まで、発電所も電線や電柱も全てが同じ会社(例えば東京電力のもの)のものとなっていました。
しかし、これでは結局一つの会社が独占してしまうので、他の電力会社が参入することはできなくなってしまいますよね?

日本では「独占禁止法」という法律があり、一つの会社がある事業に関して独占的に占めることは禁止されているのです。

そこで、発電所は発電所だけの会社、電線や電柱という電力を運ぶものは別の会社というように、発電所と送電施設だけの会社に分離したのです。

これによって、発電を行う会社がたくさん増えたのですが、送電施設だけはどの会社も借りなくてはなりません。
新たに電柱を作ったり送電施設を作ったりすると、大変なお金がかかりますし、町中、電柱や電線だらけになってしまうからです。

そこで、発電は別々ですが、送電設備だけは同じように一緒に使うという構図ができたのです。

ですが、もともと送電設備は東京電力が作ったものです。
いくら発送電分離をしても、東京電力との関係は切り離されてはいないのです。

この送電設備=送配電網を利用する所に対して2.4兆円という金額をかけたわけです。

ですから他の電力会社でも、同じ送配電網を使っているのでしたら、福島第一原発の負担金を発電所が負担、つまり国民が負担しなくてはならないことになっているわけです。
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大佐
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2016/12/14(水) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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