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日本が北方領土の返還を求めている理由と歴史をわかりやすく教えてください。(その3)


前回はサンフランシスコ講和条約で、千島列島や北方領土を放棄し、ロシアと日本のそれぞれの主張をした所で終わりました。
それではこのつづきから参りましょう。

しこたん

いきなりですが北方領土や千島列島に住んでいた日本人はどうなったのでしょうか?

ロシアが北方領土などを支配した後、しばらく日本人はすぐに日本へ帰国することができませんでした。
その後、1946年12月に帰国が許されるようになり、多くの日本人が日本へと帰国いたしました。

しかし、全員が日本へと帰ったわけではありません。
ロシア人と結婚した日本人は残ったり、朝鮮国籍を持った朝鮮人は、日本国籍を持っていないので日本へ渡ることはできずに残ったりもしました。

現在はわずかな日本人も住んでいますが、全てロシアの国籍となっています。

さて、北方領土が支配されて約70年が経ちますが、日本政府は北方領土を取り戻そうとさまざまな交渉をしてきました。

1956年には、日本とロシアが平和を維持していきましょうという、「日ソ共同宣言」が行われました。
この時に歯舞・色丹を日本に引き渡すことを同意しました。

日ソ

ただしこれには注意書きがあるのです。
「日本とロシアの間で平和になった時に引渡しがされる」と言うものです。
これですと、いつになったら本当の平和なの?という線引きがよくわからないですよね?

そして日本も、国後、択捉を放棄したわけでなく、最終的には返してもらうという姿勢は崩しませんでした。
ロシアも4島全部返還は認めないという姿勢を崩しません。

結局、その後はロシア側は「日本とは北方領土問題は存在しない。」と宣言させられてしまいました。
つまり、初めから北方領土の問題はなく、北方領土はロシアのものであると断言されてしまったのです。

日ソ共同宣言以来、約35年間は日本とロシアでこう着状態が続いてしまうのです。

それから少しだけ進展したのは1991年です。
当時ロシアの大統領であった、ゴルバチョフ大統領が日本へやってきたのです。

ゴルバチョフ大統領は「北方領土が日本とロシアの間で問題になっていますね」と認めたのです。

1993年にはロシアの大統領が変わり、エリツィン大統領も日本へやってきました。
少しずつですが、日本と交流を持ち始めたのですね。

このように大統領が来たことによって、日本は少しずつ交渉のきっかけを模索していくのです。

2000年までに日本とロシアの平和を条約を締結しましょうという「クラスノヤルスク会議」、森総理とプーチン大統領が「イルクーツク声明(日ソ共同宣言を確認しあったり、北方領土の解決を促進する話し合い)」ということが行われました。

しかしながら、どれも今までは決定打がありません。
そして今回、11年ぶりに日本へプーチン大統領が来日したのです。

にちろ会議

当初、安倍総理はプーチン大統領との会談には自信満々でした。
オバマよりもプーチンは話がわかるなどとも言っていたくらいです。

一日目は、山口県で主に平和条約について話し合いが行われました。

二日目は、場所を東京へ移して、経済界の幹部を交えて経済協力について話し合いが行われました。

日本はロシアの「8項目の経済支援」というカギをもって、北方領土の返還の交渉に乗り出しました。
例えばですが、エネルギー生産能力の向上、IT分野の技術協力、といったものです。

これに対してロシアはなんと68項目もの経済支援を要求してきました。

例えばですが、モスクワとウラジオストクを結んでいるシベリア鉄道が開通して100周年だから、それを北海道までつなげてくれと要求してきました。
北海道に鉄道を伸ばしたところで、赤字は目に見えていますし、とんでもないお金がかかってしまいます。

どれもこれも大規模な経済支援ですから日本側としては飲めない要求でした。

結局、今回来日して決まったのは、「北方領土での共同経済活動というおおまかな話」と、「元、島民の自由訪問の拡大」というものでした。

北方領土のこと、少しはわかってもらえたでしょうか。
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2016/12/23(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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