東芝で数千億規模の損失が出ることが明らかとなりました。
どういうことかわかりやすく解説していきましょう。

東芝は以前、粉飾決済と言う事件を起こしました。
利益が本当は出ていないけれど、利益がたくさん出て儲かりましたよと嘘をついたのです。
東芝は上場もしていますから(証券取引所で株を取引できるようになること)これによって、東芝に投資をしていたたくさんの投資家が損をしました。
また嘘の申告をしていたので、取引に不正がないように監視をしている「証券取引等監視委員会」からも刑事事件にすべきだと告発され、今も対立をしています。
そんな背景の中でさらに問題が起こったのです。
東芝がさらに2017年の3月決算(一年でこれだけの利益・損失がでましたよと発表する日)で数千円規模にのぼる損失を出してしまう可能性があると発表したのです。
東芝と言えば白物家電(洗濯機や冷蔵庫などのことを言います。)を代表する会社ですが、現在ではこれに力を入れていません。(売れないので)
パソコンや半導体といった製品、テレビなんかも販売の廃止をしたり縮小しています。
では今の東芝は何を売って利益を上げようとしているか?ということですが、こんな感じです。
■半導体(縮小気味ですが)
■再生エネルギー関連(水力発電・火力発電・原子力発電・地熱発電・揚水発電)
■インフラ関連(空調やエレベーター、証明)
特にこの再生エネルギー関連の発電技術は世界でもトップレベルです。
ですが、この中の「原子力発電」の事業において損を出してしまうと発表したのです。
東芝はアメリカで原子力発電所の事業を行っているのですが、この原子力発電所の事業と言うのは、東芝の子会社で「ウエスチングハウス」という会社がメインで行っています。
ウエスチングハウスは原子力発電事業を行っているのですが、この会社がある会社を買収しました。
アメリカ原子力サービス会社「S&W」という会社です。
この会社は原子力発電所の建設をなどを手がけている会社です。
問題が出たのはこの買収したアメリカ原子力サービス会社「S&W」でした。
買収と言うのは、買収した会社が買収した時の金額より企業の価値が高ければ今後儲けが出ます。
しかし、買収した会社が変な社員ばかりだったり、全然お仕事をしない会社で、買収した時の金額より実際は企業価値が低い会社だったら利益が出ません。
今回はまさに、買収した会社の企業価値が低いことに問題があったのです。
原子力発電所というのは、やはり安全への意識が必然的に高くなる事業です。
ですから、当初予定したスケジュールや金額では全然足りなくなると言うケースが非常に良く出てきます。
東芝はもちろん、この買収した会社「S&W」で原子力発電所の建設を行っていたのですが、想定以上に建設コストが膨らんでしまったのです。
これによって多額の損失が出てしまっているわけですね。
証券取引所では、東芝に対して「特設注意市場銘柄」の指定を延期することにしました。
要は、この会社潰れるかもしれないので、取引するには注意が必要ですよ!という注意期間を延期したのです。
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2017/01/02(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(2)