先日、商工中金(商工組合中央金庫)の職員が、融資をする企業に対して、業績が大きく悪化していないのにも関わらず、業績が悪化していたようにみせかけて財務状況を示す資料を改ざんしていたことがニュースとなりました。
今回はこのニュースについてわかりやすく解説していきましょう。

商工中金といいますのは正式名称は「商工組合中央金庫」と言います。
こちらはよく、「政府系金融機関」という言葉が付いたりします。
なぜならこれは政府と民間の団体が一緒になって出資して作られたものだからです。
もし政府が何らかの政策を考えてそれを実行したいと思った場合、政府が主体となって動くとしますと大変面倒くさいです。
例えば○○大臣が命令して、それに従って官僚が動くというやり方だったら、仕事は全然片付きません。
おまけに政府=国ですから、国で動くと利益を求めないためにサービスも悪くなってしまいます。
そこで、民間の企業や団体に政府がお願いして動いて貰うようにするわけです。
そうしますと利益を追求するために必然的にサービスといったものが良くなり「民間よりの政府が関わっているモノ」として運用できるようになるのです。
この商工中金も同じように政府と民間団体がお金を出し合って作られた金融機関なのです。
何をしているかと言いますと、主に中小企業へのサポートとして「中小企業の融資」に特化しています。
企業にお金を貸して、その利子で運営をしているのです。
個人でもちなみに銀行と同じようにお金を預けることができます。(預けたお金は中小企業への融資の資金に貸しだされるしくみです)
しかし、この商工中金で不正が起きたわけです。
商工中金は全国に北海道から沖縄までたくさんの支店があります。(ニューヨークや香港といった海外でもあります。)
この中の、鹿児島、岡山、名古屋、松本(長野県)の支店で不正がありました。
本来、商工中金では資金難で困っている企業を助けるために設立されました。
しかしながら、今回は資金難でもないような企業に対してもお金を貸してしまったわけですね。
お金を貸してもらった企業はそのお金で確かにまた別の事業や研究費として活用することはでき、ありがたいと言えばありがたいです。
(もちろんお金を返さなくてはいけませんが。)
しかし、本当に困っている企業はその分融資をしてもらえなかったり、倫理的には問題です。
政府系金融機関というくらいですから私達の税金も商工中金に活用されています。
商工中金では、銀行と同じように良い企業に融資をした場合にはその人の業績評価に繋がっていました。
内部評価を得るために、業績が極端に落ちているような会社でもないのに、嘘の財務状況を書いて業績が落ちているように見せかけました。
もちろん本当は業績は悪くないですから、しっかりと貸した時の利子を商工中金側は受け取れます。
現在221件の企業にお金を貸したことがわかっており、15人の商工中金の職員が関わったことが判明しています。
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ブログ管理人:大佐

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2017/01/13(金) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)