アメリカ議会共和党で、国境税の導入を検討していることがニュースとなりました。
今回はこのニュースについてわかりやすく解説していきましょう。

国境税というのは国境税調整とも言います。
これはモノを輸入する際に国内の製品の値段と同じように輸入してきたモノにも同率の消費税を全部にかけたり、一部にかけたりします。
また海外へモノを輸出する際に、国内でかけられた消費税の全部や一部を「輸出戻し税」として、生産者やその間に介入する小売店へ税金を返したりすることです。
つまり、国内で生産したモノより輸入製品には税金をたくさんかけて高くし、自国のモノを自国の消費者が安い値段で購入できるようにさせるのです。
必然的に輸入製品はあまり買われる様になりません。
何故、こんな国境税をアメリカは導入しようか考えてるのかと言いますと、これにはアメリカの事情があるのです。
アメリカには「北米自由貿易協定(NAFTA)」という協定があります。
北米自由貿易協定は、カナダ、メキシコ、アメリカ合衆国の3カ国の間で結ばれた協定で、メキシコからアメリカ、カナダからアメリカ、アメリカからメキシコへと言うように輸出入をした場合、税金を無くしたり、税金を減らしたりする協定です。
貿易をする際にかかる税金を減らすことによって、活発に貿易ができるわけですね。
こちら参照
しかし、アメリカにとってはこの協定がかなり厄介な存在となってしまっているのです。
アメリカは世界一の消費大国でもありますから、いろいろなモノを輸入しています。
ですが、モノを作る拠点がメキシコやカナダでそこから輸入した場合、税金が無くなったり減税されてしまうために、自分の国には安いモノが入るようになってしまいます。
従って、自国で生産したのモノが売れませんし、会社の法人税も入りません。
その影響によって労働者の仕事も奪われてしまいます。
また、アメリカの輸出時の税金のしくみにも関係があります。
例えば日本の企業がアメリカの企業に何かの原材料を発注して、その原材料を加工して何かのモノを完成させたとします。
しかし、その完成品をアメリカに売った場合は、原材料を仕入れた時の税金が還付されるしくみになっているのです。
アメリカの場合はそういうことをしても税金が還付されるようになっていません。
こういった背景もありまして、「アメリカにとって貿易が不利である!」と主張しているのがドナルド・トランプさんです。
そこで国境税を導入して、アメリカの利益を第一になるよう考えているわけですね。
国境税を導入してしまえば、アメリカにとってはとても都合の良い体制となります。
しかしながら、「簡単に国境税なんて導入できるものなの?」という疑問が浮かびます。
これはしごくもっともな話で、やはりWTO(世界貿易機関)ではこの国境税の導入は、自分の国だけ輸出時に有利であることから違法と考えています。
世界からもやはり反感を受けてしまいました。
▼大佐のブログが本になりました。

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ブログ管理人:大佐

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2017/01/16(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)