マティス米国防長官が日本へ来日して、日本がアメリカに支払っている駐留費について話をしました。
今回はこのニュースを詳しく解説していきたいと思います。
日本はアメリカと共同で他国からの攻撃に備えています。
これを「共同防衛」といいます。
日本の場合はやはり憲法9条の関係上、自国から攻撃も出来ませんし、例え自国へ攻撃されてもすぐに行動ができないような仕組みになっています。
そこでアメリカ軍が日本に駐留し、有事な事があった際にアメリカ軍がすぐに出動できるようにしているのです。
しかしながら、米軍が駐留するにはお金がかかってしまいます。
このために日本では1899億円(2016年)ものアメリカ軍駐留費を払っています。
日本がアメリカ軍の駐留費を払っている費用名を別名、「思いやり予算」と呼んでいます。
「思いやり予算」は1978年6月、在日米軍基地で働く日本人の給与の一部を日本が負担しますということから始まりました。
もちろん、日本とアメリカの間ではお金を出さなければならない協定はなかったのですが、当時の防衛庁長官、金丸信(かねまるしん)という方が、当時は円高ドル安という経済の状況をふまえて「思いやりの立場で対処すべき」という発言からこのような名前になり、お金を出すようになりました。
実は思いやり予算に注目が行きがちですが、これ以外にも日本はまだまだお金を払っています。
平成28年度の予算ではこんな予算が組まれています。
・提供普通財産試算・・・要はアメリカ軍に土地を貸している土地の賃料です。
・基地周辺対策費・・・基地から飛び立つ戦闘機への防音対策や道路整備といったものです。
・特別行動委員会関係費・・・日本政府とアメリカ政府が一緒に作った委員会です。沖縄県の負担を減らしながら日本と同盟関係を強化していこうというのが目的です。
・米軍再編関係費・・・アメリカ軍のグアムへの移転や訓練移転、米陸軍司令部の改編などちょっとわかりにくいものです。
思いやり予算にこのような予算を合わせますと平成28年度では結局7000億円ほどかかっており、それを日本が負担しています。
これだけのお金を同盟国に支払っている国は他国にはありません。
その為、日本は「世界で一番気前のいい国」などど揶揄されています。
しかしながら選挙時からドナルド・トランプ大統領はこのように言っていました。
「日本へ米軍駐留費を全額を払わせる」
当初はドナルド・トランプ大統領が当選するとは思ってもいなかったでしょうが、現在ではこの言葉に対し日本はかなり慎重でした。
そんな中、先日ジェームズ・マティス国防長官が日本へ来日して日本とアメリカの駐留費について話をしました。
マティス国防長官は「狂犬」(mad dog)という異名を持っています。
この狂犬という言葉は誤解があったりもします。
もともと、この方は海兵隊出身なのですが、「犬」という呼称は軍人でもよくある呼び名として有名です。
特に海兵隊は「devil dog」(魔犬)というような愛称があります。
ですが犬としての呼称は敵に恐れられる存在でもあり、忠実に従う見本として軍隊の象徴でもあります。
「狂」というのも英語を日本語に約した際に、どうしてもmad=狂ったという誤訳になってしまうので「狂」という言葉が使われてしまいますが、本来の意味とはちょっと違います。
別に狂っているわけではなく、海兵隊上がりの偉い人、’つわものの証’という事で「狂犬」などという言葉がついているのです。
そんなマティス米国防長官と稲田防衛相が日本の駐留費について話した際にこのように言いました。
「日本は他国のモデルだ」
ドナルド・トランプ大統領は全額払わせるとは言っていますが、マティス米国防長官はかなり日本の駐留費について評価しているようです。
韓国にも米軍が駐留していますが、日本がモデルであり、そういった他国の引き合いになっていると言うわけですね。
ドナルド・トランプ大統領とマティス国防長官とは少し考えが違うようですね。
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ブログ管理人:大佐

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2017/02/05(日) | 政治のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)