2017年2月13日に金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで暗殺されて、連日報道されていますね。
今回は金正男氏とはどんな人物で何故殺されてしまったのかを詳しく解説していきたいと思います。

まずは、金正男氏の家計から見ていきましょう。
金正男氏の父は金正日(キム・ジョンイル(1942~2011)、母は成恵琳(ソン・ヘリム(1937~2002)ですね。
記載した通り、お二人とも既に亡くなっています。
金正日はみなさん大変ご存知だとは思います。
北朝鮮の最高指導者だった人物ですね。
では成恵琳さんは何者かといいますと、もともと北朝鮮での映画に出演していた女優です。
彼女は既婚者で娘が既にいましたが、夫と別れて金正日と同居をしました。
ただ、この同居は極秘とされていました。
何故なら金正日は、正妻である金英淑(キム・ヨンスク)という方がいるからですね。
要は成恵琳さんとは不倫の関係にあったわけです。
実は金正日氏は全部で3人の女性と不倫関係にありました。
成恵琳、金英姫(コ・ヨンヒ)、金玉(キム・オク)の三人です。
その中の成恵琳との間に出来た子供が金正男です。
金正日は、大変困っていました。
と、いいますのは金正日の父である金日成(キム・イルソン(1912~1994))は大変厳格な父であり、このような事を知られてしまうと大目玉を食らうからです。
「アカンやんバレたら完全に殺されるわ~」
ですから不倫相手である、成恵琳さんの存在も金正男の存在も隠し続け、結局は金正男が五歳になるまでずっと隠しておりました。
彼女らは15号官邸と呼ばれる4Mもある塀と警備兵に囲まれた厳重な監視下がある家の中で暮らしていたといいます。
ただし、金正日はこの金正男を非常に溺愛していたといいます。
厳重に警備はされているけれども、100万ドル分のおもちゃを与えたり、300坪の娯楽室を作ったりと、思い切り甘やかしていたと言います。
ですから、金日成が亡くなり金正日が存命していた時の金正男が自由に出来た理由はこれで理解できます。
話は戻りますが、成恵琳さんもこのように思っていました。
「金正日が正妻を持っている・・おまけに金日成にも存在を明かしてくれない・・・こんな生活はもう嫌だ」
何度も金正日に自分の存在と息子の存在を認めてもらうように言いましたが、なかなか聞いてくれませんでした。
そして、いつかすべてが奪われるのではないかと怯えた成恵琳さんは金正男と共にモスクワへ行き、ここで2002年に亡くなっています。
複雑な家庭で育った金正男ですが、彼は彼で自分の人生を生きました。
かなり優秀な人物で、五ヶ国語を話し、北朝鮮ではコンピューター委員会委員長という地位に付き、朝鮮コンピューターセンターというものを創設しました。
また中国やマカオといったところでビジネスをしていたとも言われています。
また金正男自身は第三夫人までいて、息子が2人、娘が2人いるんだそうです。
金正男が北朝鮮の最高指導者になれなかった(ならなかった?)のは、まずは隠された存在であったからだったのが非常に大きいです。
そして、本人は政治に無関心だといいながらもやはり、北朝鮮のあり方を否定し、今の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)も反対していました。
金正恩の母親は先程不倫関係の一人である金英姫の息子です。
こうなりますと、暗殺された理由がなんとなく分かってきます。
要は、「世襲による暗殺」という可能性が非常に高いですよね。
金正男はそのような世襲に挟まれたり考え方と言ったことで、国外追放をされてしまいました。
さて、マレーシアと北朝鮮は比較的親しい外交関係を結んでいます。
なんとマレーシア国民はビザなしで北朝鮮へ入国もできるぐらいの間柄です。
そのような国に、国外追放されていた金正男が流れ着き殺されてしまったわけです。
どうやって殺されたか?誰が殺したのか?
これは実際よくはわかっていません。
北朝鮮の工作員が毒針で殺した、VXガスをかがせた・・・いろいろな憶測が飛び交っています。
マレーシア警察もこの事件に非常に慎重になっていますし、北朝鮮側は金正男の遺体を早くよこしなさいと抗議しています。
真実は永遠にわからないのかもしれません。
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ブログ管理人:大佐

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2017/02/20(月) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)