スウェーデンが情勢の変化を受けて徴兵制を復活させることになりました。
今回はこのニュースを詳しく解説していきたいと思います。

徴兵制度は国家が国民に対して強制的に兵役を義務付ける制度です。
世界には兵役を務めなくてはならない国がたくさんあります。
どのくらいかといいますと大体半分くらいの国で徴兵制があります。思っている以上に多いですね。
ただ、この徴兵制度は少しずつ廃止されたり、宗教や家庭の事情といった事で免除になったりと緩くなって来ているようです。
日本でももちろん戦前は徴兵制がありました。
第二次世界大戦では「臨時召集令」と呼ばれる、いわゆる赤紙が交付され、交付された人は戦争へ行かなくてはなりませんでした。(戦後に廃止されています。)
韓国では19歳から29歳の間に2年間の兵役があります。
今は韓流ブームではないので流れませんが、日本が韓流ブームだった時は韓流スターが兵役のために一度芸能活動を中止するという話題が上がったりしていました。
タイではなかなか面白いです。
くじ引きで空軍、海軍、陸軍、そして免除者が決まっていきます。
海軍がその中でも一番キツイので海軍だけは嫌がるそうですね。
さて、日本では現在徴兵制というものがありませんが、徴兵制を設けている国、設けていない国の違いは何でしょうか?
それは、「強力な軍隊を持って自分の国を守っていかなくてはならない」と危惧しているかしていないかです。
日本は昔から他国から攻められた歴史がほとんどといってよいくらい皆無の国ですので、あまり理解できないかもしれませんが、多くの国では他国から侵略された歴史を持っています。
その為、自分の国を守るという意識が非常に強いのです。
今回ニュースに上がっているスウェーデンも同じです。
スウェーデンと言えば「中立国」として有名です。どこの国の見方でもありませんという国ですね。
しかしながら、スウェーデンではかつて戦争によって、辛酸をなめるような結果となっていたのです。
例えば1700年から1721年にかけて行われた大北方戦争(だいほっぽうせんそう)という戦争が行われました。
しかし戦いに負けてロシアにバルト海の東・南岸の大部分を奪われてしまいました。
1808年から1809年に行われたフィンランド戦争もそうです。
この戦争後にロシアと講和条約(戦争を終わらせるための条約のことです)を結びましたがロシアへと広大な領土を譲り渡すことになってしまいました。
こういった経緯もあり、スウェーデンでは自分の国を守るために、そして世界の中立国であるとして強力な軍事力を必要として徴兵制を取っていました。
しかし、その後2010年に徴兵制度は廃止されていたのですが、今回徴兵制度がふたたび復活されました。
原因はロシアです。
今までの歴史を見てきたとおり、ロシアとスウェーデンはあまり仲がよくありません。
2013年にはロシアは軍事演習を行いましたが、スウェーデンの核攻撃を想定した軍事訓練もしています。
また以前(2014年)にロシアがクリミアを侵攻した事からも、スウェーデンは非常にロシアを警戒しています。
軍事費も2014年だったころは5800億円だったものが2015年には6000億円、これから2020年までには7500億円ほどの予算を設けています。
自分の国を取り巻く環境というのが非常に変わってきているのです。
こういったことで、スウェーデンで来年2018年から徴兵制を復活させて、国民を兵役につかせることとなったのです。
来年1月には4000人が兵役につく予定となっています。
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ブログ管理人:大佐

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2017/03/04(土) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)