国連安保理で化学兵器の使用がされたと報告があり、調査をしようと言う話になりました。
今回はこのニュースを詳しく解説したいと思います。

国連安保理とは、正しくは国連安全保障理事会と言います。
日本では安保理と呼ばれる事が多いのですが、これは1946年から活動が開始されています。1946年と言いますと、第二次世界大戦が終了した後です。
これは今まで戦争ばかりしていたので、これからはお互いの国同士、平和にしていきましょうと言う事もあってこの年代にはじまったわけなんですね。
安保理の役割は、紛争が起こっている場合に話し合いで解決を促したり、経済制裁(紛争をしている国の輸出入を停止させたりして経済的なダメージを与えます。)を与えたりします。
ただ、もともと平和的に解決をしていこうと言うのが目的にもかかわらず、安保理に加わっている国同士が賛成すれば、武力によって強制的に解決する手段も用います。
この安保理には常任理事国と呼ばれる国が入っています。常任理事国と言いますのは常に安保理の中に加わっている国の事です。
この常任理事国が5か国でして、中国、フランス、ロシア、イギリス、アメリカになります。
また安保理には非常任理事国という国も加わっています。これは常に加わっているわけではなく、選挙によって選ばれます。
どうやって選挙で決まるのかは秘密らしいですが、非常任理事国は2年間の任期があり、期間が終わりますとまた選挙によって決められます。
現在は日本、ボリビア、イタリア、エジプト、カザフスタン、エチオピア、スウェーデン、セネガル、ウルグアイ、ウクライナの10ヶ国です。
さて、本題です。
シリア北部にあるイドリブ県(日本の県と同じような定義なので県という言葉が使われています。)と言う場所で化学兵器が使用されたと報告されました。
シリア北部では2013年頃から内戦が始まっています。どのような人達が戦っているのかと言いますと、シリア政府軍と反政府軍です。
シリア政府軍にはアサド大統領と言う人がいまして、アラウィー派と言う宗教に入っています。
これに対しまして反政府軍はスンニ派と呼ばれる人達で占めています。
どちらももともとは同じ宗教だったと言われてはいますが、長い間の中で宗教自体の解釈の仕方や、時代によって改変されたりと言う事で、異なる教えの宗教となってしまったのです。
シリア北部ではやはりアサド大統領が主要ポストですからアラウィー派の方が当然優遇されており、スンニ派の方達は虐げられていると言う構図が出来上がっていました。
こうしてスンニ派の方達はついに怒って、政権を取ろうと内戦になったわけです。
いわゆる宗教戦争ですね。
この紛争でアサド大統領率いるアサド政権側は、化学兵器を使用したと報告されたのです。(アサド政権側は否定していますが。)
化学兵器と言いますのは毒ガスなどが入っているミサイルや爆弾の事です。化学兵器の使用は非人道的である為、国際法によってかたく禁止されているのです。
しかし、証拠はほぼ出ていますが、しっかりと調査をしなくてはいけません。そこで、アメリカ、イギリス、フランスの常任理事国が調査をしに行きましょうと安保理で合意したわけです。
この3国は反政府軍の味方です。
しかしながら、常任理事国の中のロシアが反対しました。
何故ならロシアはアサド政権側を武器や経済的な面でも支援している国だからです。
安保理では、常任理事国の中のどこか一つの国が拒否した場合は、そのような決議案を却下することができるのです。
こうしているうちにも化学兵器によって、さらにたくさんの民間人がなくなっているかもしれません。
そこでアメリカは単独でも調査をしに行ってやると息巻いているのです。
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2017/04/07(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(2)