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トルコで憲法改正の国民投票が行われたというニュースをわかりやすく解説してください。その②



今月(2017年4月16日)にトルコで憲法を改正した方がよいのかどうか?ということで国民投票が行われました。
今回は前回のつづきです。前回の記事はコチラ

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トルコではかつて軍隊によるクーデターが何回も起こっていました。
ここ最近で起きたクーデターは2016年の7月15日です。

クーデターを起こす理由はいろいろとありますが、やはり「宗教」と「政教分離」が理由です。

政教分離は国を掲げる重要な政策です。
しかしどうしても公正発展党からイスラム教の色がでてしまいます。

ですから、伝統的なイスラム教をあまりよく思っていない人達(世俗派)、トルコ政府と対立して国内に住んでいるクルド人達は政党によって制限や弾圧を受けてしまいます。
(クルド人の問題はまた非常に長い話になってしまいますので省略しますね)

政教分離を国が掲げているのに、実際はイスラム教を推し進めているじゃないか!とこう思ってしまうわけです。

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もちろんそれが軍隊の中にも世俗派やクルド人が混じっていたりしますので、このような軍人が集まってクーデターを起こすのですね。

2016年に起こったクーデターもこのような理由からでした。
現在はエルドアン大統領が軍隊の力を弱めてしまったり、公正発展党を応援している民衆が多いのでその時のクーデターは未遂に終わってしまいました。

このクーデターでエルドアン大統領は軍関関係者や警察官、判事などの司法関係者を人の公務員を解雇したり、逮捕してしまいました。
その数は厳密にわかってはいませんが、1万5000人以上ともいわれています。

なんだか行き過ぎた感じに思いますね?
そうです、エルドアン大統領はちょっと過激な大統領で有名です。

エルドアン大統領は伝統的なイスラム教を推し進めて行きたい方なので、これに反対するような勢力は排除したり粛清したりしてきた大統領であるのです。

さてやっとニュースの本題に入れます。
この先もクーデターによって政権が軍に奪われてしまう危機が起こるような不安定な政治ではいけません。(独裁政治ももちろんダメですが)
いつエルドアン大統領も失墜させられるかわかったもんじゃありません。

そこでエルドアン大統領は政治権力を首相にするのではなく、大統領に権限をおかせる憲法に改正することにしました。
大統領の権限を強くしてもいい?ダメ?を国民投票として投げかけたわけです。

具体的にどんな風に憲法を改正するのかといいますと、こんな感じです。

■首相を廃止(首相の代わりが大統領となる)
■閣僚の任命権(大統領が判事や閣僚を任命できる権利)
■予算の策定(大統領が国の予算を決められる。)
■非常事態宣言(大統領がこれを発令させると議会を通さずに新しい法律をや権利や制限を停止できる。)
■死刑制度を復活させる

こうやって見ますと、大統領にとても有利に感じますね。
過激な大統領がこのような大統領に有利な権利を与えてしまいますと、独裁政治のようになってしまう可能性がありますよね?

これが世界から批判されているわけです。

今回の憲法改正の国民投票をした結果、賛成が51.4%、反対が48.6%で憲法改正が決まり、これらが決まったわけです。
これがニュースとなっているのですね。
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大佐
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2017/04/21(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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