アジア開発銀行(ADB)の50回目の総会で麻生太郎 財務相が演説した事がニュースとなっています。
今回はアジア開発銀行(ADB)とは何かという事と、なぜ中国はこれに対抗してアジアインフラ投資銀行(AIIB)を作ったかをわかりやすく解説したいと思います。
ADBとはAsian Development Bankの略称です。日本名ではアジア開発銀行と言います。
アジア開発銀行は1966年に作られた国際開発金融機関です。何をしているのかといいますと、お金を貸したり、技術支援をしています。
日本やアメリカと言った先進国は、貧困で困っている国に比べますと、大変裕福である事がわかります。
アジア、太平洋地域は1日に2ドル以下で暮らす人達が19億人もいると言われています。
1日に2ドルは日本円で230円くらいでしょうか。
物価の違いももちろんあるかと思いますが、日本で電気代と言った光熱費などを入れて2ドル以下で暮らすことはまず無理でしょう。
ですから貧困ゆえに治安も悪く、売春や犯罪が日常茶飯事に起きていますし、お金がないので道路を舗装できなかったり電気やガスが来ていない家もたくさんあります。
そこで先進国がお金を出したり技術支援をして、貧困で困っている国に出資してあげるわけです。
ADBに出資している主な国はこちらです。
▪️日本
▪️アメリカ
▪️中国
▪️インド
▪️オーストラリア
えぇ〜貸し付けるの?寄付じゃないの?と思うかもしれませんが、寄付という行為が悪いわけではありませんが、決して良い結果をもたらすわけではないのです。
なぜなら寄付に頼ってしてしまう事により、自ら動こうとする気持ちがなくなってしまうのですね。
しかし、お金を貸し付けた場合はお金を返さなくてはいけないという気持ちがあるので一生懸命に働くようになりますよね。それが結果としてプラスになり、インフラ整備が整ったり働く場所が増えたりして国が豊かになるわけです。
国が豊かになれば、借りたお金も利子を付けて返す事ができるようになり、貸した国もそのお金でさらに困っている国に貸す事ができますよね。
さて、このADBに対抗しているのが中国です。
先程ADBに投資している国を挙げたと思いますが、その中に中国も入っていましたよね?何で中国は対抗しているのでしょうか。
ADBの出資比率を見ると日本(15.7%)、アメリカ合衆国(15.6%)、中国(6.5%)、インド(6.4%)、
オーストラリア(5.8%)と言った具合になるのですが(2014年時)、お分かりの通りADBはアメリカと日本の出資率が多いです。
出資率が多いとそれだけ主導権を握れますし、見返りがあるようになっています。つまり、日本とアメリカに主な主導権があるようになっており、見返りがあるようになっているのですね。
じゃあもっと中国が出資金額を増やせばいいじゃんと思うかもしれませんが、アメリカと日本が既に主導権を握っているので簡単に中国は出資金額を増やす事ができないのです。
そこで中国は『アジアインフラ投資銀行(AIIB)』というADBと同じような内容の物を中国主導で立ち上げたのです。
日本やアメリカはこれには参加しませんでした。
何故なら主導権が中国にあるのですから公平に出資ができない可能性がありますよね。
貧困で困っている国に何かの事業があって、日本の企業が入札しようとしても、中国に取られてしまう可能性もあります。(中国はそれらは否定してはいます。)
こう言った事でアジア開発銀行(ADB)とアジアインフラ投資銀行(AIIB)はちょっとしたイザコザがあるのです。
ADBの目的は出資した国からの見返りではあるかもしれません。
しかし、お金だけの話ではなく、貧困のないアジア・太平洋地域にしていく事が真の目的であります。このような支援で多くの人を貧困から助けてあげたいものですね。
日本は50回目のADB総会で、高度なインフラ整備などのために今後2年間で45億円を出資すると表明し、日本の技術力を生かしたインフラづくりを推進していくよう考えています。
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2017/05/07(日) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)