アメリカのトランプ大統領が正式にパリ協定を離脱する表明をしたことがニュースとなっています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
まずは世界の温室効果ガスの排出量から見ていきましょう。
温室効果ガスとは二酸化炭素だけに限らず一酸化二窒素やメタンなどいろいと存在します。
地球もかつて完全な氷に覆われてしまった「全球凍結」という時代がありましたが、海中に眠っていたメタンが解けて地球の温度が上昇した歴史があります。
世界の温室効果ガスの合計排出量は330億トンです。
単位がトンで表されていてわかりにくいのですが、温室効果ガスの1つである二酸化炭素1トンとはだいたい杉の木70本分程が1年間に吸収する二酸化炭素の量です。
また日本人一人が2年間生活を送ると大体1トンの二酸化炭素が出ると言われています。
温室効果ガスは主に石炭や石油の化石燃料の燃焼によって発生しています。
温室効果ガスの排出国ランキングはこんな感じです。
■1位・・中国
■2位・・アメリカ
■3位・・インド
■4位・・ロシア
■5位・・日本
■6位・・ドイツ
以前はアメリカが1位だったのですが、急速な経済発展によって現在は中国が1位です。
温室効果ガスと地球温暖化の関係は実は今もいろいろな意見が飛び交っており、本当に温暖化ガスが原因で地球温暖化が進んでいるのかは厳密にはわかってはいません。
が、人間が豊かになるにつれて温暖化が進んでいる相関関係は確かにあるようです。
そこで原因はやはり温室効果ガスが有力だということで、世界中で温室効果ガスの削減に取り組むことになったのです。
今まで温室効果ガスの削減に向けていろいろと話し合われてきたのですが、一番最近で温暖化について話し合われた会議が2015年に行われた「気候変動枠組条約第21回締約会議」(通商、COP21といいます)です。
この中で「パリ協定」と呼ばれる、温室効果ガスの排出量をそれぞれの国で削減するように取り決めました。
この取り決めは先進国だけではなく、発展途上国も行う事にしました。何故なら世界全体で産業革命前からの気温上昇を2度より低く抑えて、1.5度未満を努力目標とすることが掲げられたので、世界中の国がやらなければ達成できなくなってしまうからです。
しかしながら先日、アメリカがこのパリ協定から離脱する事を表明してしまったのです。
アメリカはパリ協定で温室効果ガスを2025年に2005年に比べて26~28%削減する目標をかかげていましたがこれを破棄。
また発展途上国が温室効果ガスを削減する為の資金援助もやめてしまいました。
アメリカがパリ協定から離脱した理由は、アメリカ第一主義という、アメリカの経済のみを特化する政策でした。
二酸化炭素?温暖化?
そんなことより経済だ!というわけです。
温室効果ガス排出量の世界2位のアメリカが離脱してしまうと、まず根本的に気温を1.5度未満にするという目標が達成できません。
結局達成できないのなら、やる意味がなくなってしまいますよね?世界中でモチベーションが下がってしまうわけです。
そして、アメリカが抜けるならウチも!と言うような連鎖まで始まってしまう恐れがあるのです。
今後はEUと中国が主体となってパリ協定を進めて行く事になりましたが、アメリカが抜ける事によって、参加国では大きく失望しました。
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自己紹介
ブログ管理人:大佐

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2017/06/03(土) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)