南スーダンの自衛隊の日報を巡り激しくニュースで取り上げられています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
南スーダンはスーダンから2011年1月に独立しました。独立した主な理由は宗教の違いです。
しかし、せっかく独立したのに南スーダンのキール大統領とマシャール前副大統領の二人の派閥によって内戦状態となってしまいました。
このような状態の南スーダンでしたが、国連の協力要請をうけ、平和維持活動(PKO)として日本でも道路などのインフラ整備や医療支援をするために陸上自衛隊が派遣されたのです。
しかし、自衛隊をPKOとして派遣するには5原則というものを守らなくてはいけないのです。
①停戦していること
②受け入れする国が同意してること
③中立性が保たれていること
④上記の要件が満たされない場合は派遣を中断又は終了すること
⑤武器の使用は必要最小限度とすること
ここで重要なのが①なんです
「停戦をしていること」と言うのは、いうまでもなく内戦状態ではない事です。内戦状態であった場合は④のように派遣は中断されるか終了となってしまいます。
日本政府はこれまで「自衛隊が活動する首都のジュバ市内は比較的安定している」と繰り返し言って来ました。
何故ならPKOの派遣は世界中の国が行ってますから、「内戦状態だから日本だけは帰ります」となると世界からひんしゅくをかわれてしまいます。
例え現地が内戦状態だったとしても、政府は停戦状態と主張しPKO活動をしていかなくてはいけない・・という複雑な事情があるのです。
しかし、もちろん内戦状態だ!と与党(政治に直接関与する党(自民党と公明党))に野党(政治権力を行使できない党(だいたい与党に反対する))が反対して激論が交わされました。
ちなみによくこの南スーダンの日報を巡ってテレビに出ている女性は稲田朋美(いなだともみ)防衛大臣といいます。
自民党に所属していますから与党側です。自衛隊やら軍事関連に対して責任のある人なので最近よく出るわけです。
では、そもそも南スーダンの日報ってなんだろう?と思うかもしれませんが、自衛隊が現地の状況や何があったのかを記載したものです。
この日報の存在を知ることになったのはジャーナリストが南スーダンの情報を防衛省に開示して欲しいと働きかけた事で日報の存在が発覚したのです。
日報は存在していました。そして、日報の内容を知りたいという事で情報を開示を行ったのですが、『日報は破棄した』と言う返事が来たのです。
普通、みなさんの職場で重要な書類やデータってかなりの長期間の保存をするかと思います。
しかし、たかだか3、4ヶ月前の、しかも自衛隊のスタンスに駆け付け警護(仲間の国が攻撃されたら自分の国も戦うこと)などが加わった激動の時代に『破棄した』と言う返事に、世間で大きな話題になったのです。
結局、稲田防衛大臣が日報を防衛省に探すよう指示し、データが発見されました。(防衛省はあくまでも廃棄したはずだけどデータ残ってた!というスタンスを取りました。)
こうなると疑惑が多々上がってきます。
●本当は稲田防衛大臣が破棄するよう言えと指示したんじゃないの?
●防衛省もなんで非公表にしてたの?
●稲田防衛大臣になぜ破棄した事を報告してないの?
しかしさらに状況が悪くなります。
自衛隊にいる岡部陸上幕僚長と言う方が稲田防衛相に『日報を非公表にする報告をした』と言った事に対して稲田防衛大臣は『いや言ってない』と、話しの食い違う事象が起こったのです。
おまけに日報にはマズイ事が書かれていたのです。
日報を見ますと何度も『戦闘』と言う文字がでてきます。
しかもヤバそうな所は黒塗りにしてあって、「戦闘が生起」や「基地の近くで激しい銃撃戦」などの文字があり、南スーダンと銃撃戦をしたの・・!?と思われるニュアンスがあったりします。
明らかに内戦状態だった事がわかりますし、もし南スーダンと銃撃戦をしていた場合は憲法9条の『武力行使の国際紛争はしない』に違反する事になってしまいます。
こう言った隠蔽疑惑や、PKO活動は憲法違反だ!PKO5原則に違反している!稲田防衛大臣は辞めろ!などなどで怒号が飛び交っているというわけです。
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ブログ管理人:大佐

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2017/07/22(土) | 政治のお話 | トラックバック(0) | コメント(3)