日銀がETF(指数連動型上場投資信託)を買い入れている事がニュースとなっています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
まずは日銀の役割を見て見ましょう。
日銀(日本銀行)は中央銀行とも言われています。
日銀の役割は主に4つあります。
◾️お札を印刷
みずほ銀行といった他の銀行ではお札を刷る事はできませんが、日銀だけは特別にできます。
もちろんただお札を刷ればいいというわけではなく、市場を見回して刷る量を調節してます。
(ちなみに硬貨は財務省と言う所が作ってます。)
◾️銀行の銀行
巷にある銀行は日銀と取引をしています。
日銀に巷の銀行がお金を預けたり、お金を貸して貰ったりをしています。(私達が日銀に直接お金を預けたりする事はできません)
◾️政府の銀行
私達の税金や社会保険料は日銀に預けたり、公務員の給料をここから引き出したりしてます。
政府が日銀に口座を持っている事を政府預金口座といいます。
さて、役割が4つあると言いましたが、特に重要で今回のニュースと関係があるのが次の事です。
『金融政策を行う』と言う事です。
日本には様々な金融政策があります。
金融政策と言うのは日本の経済を良くして行くための方法です。
例えば「ゼロ金利政策」なんていう政策があります。銀行間でのお金の貸し借りの金利を0に近づけるのです。
金利が0に近づけばお金を返す時も安く済みますよね?
そうなると頻繁にお金の貸し借りができるようになります。
するとマンションを買いたい人や会社を作りたい人などがお金を借りるようになり、お金の流れが活発になり市場にお金がだんだんと流れていきます。
そして景気がよくなっていくのです。
日銀がETFを購入しているのも金融政策なのです。
ETFと言うのは指数連動型上場投資信託と言います。普通は株を購入するとした時に上場している会社(証券取引所で株価を売買できる会社)の中から一つ選んで買いますよね?
ETFの場合はどれか一つではなく、上場している会社の株(200ほど)がまとまって入っています。
株式銘柄がまとまって入ってますから、言うなれば日経平均と同じような動きをします。
ETFが上がれば日経平均も上がる傾向になり、日経平均が上がれば景気が良くなっていきます。
何故景気がよくなるかと言うと、ETFを買い入れたお金と言うのはETFに含まれる企業に行き渡ります。
企業はそのお金で新たに開発や投資をしたりして、お金を儲けて業績が上がり、最後は日本の景気も良くなるのです。
だから日銀はETFを購入する金融政策を行なっているのですね。
ETFはもちろん私達個人も証券会社で買えるのですが、日銀は2017年度で6兆円を購入予定としています。
6兆円というとんでもない金額を当てているのには訳があります。
日銀にはこのような目標があります。
「前年比に比べて安定な物価指数2%」です。
物価は物の値段ですね。
物の値段が上がれば、売り上げも増えて従業員の給料にも余裕が出てきます。そうなれば旅行に行ったり物を買うようになったりして景気がよくなります。
物価が急激に上がったりするのではなく、ゆっくり毎年2%ずつくらいに上がる事が、世界的な標準としてあり、日本としても2%くらいが理想なのです。
そのためにETFを購入して景気を良くして行き、物価指数を毎年2%上昇するようにしたいのです。
ところが現在これが少し問題となってしまってます。日銀がETFを買いすぎて、日銀が大株主のようになってきている事です。
ETFを買うと言うのは株を買っているのと同じ事なので、あまりにも大量に日銀が買ってしまうと、大株主となってしまうのです。
そうなると他の投資家などが株を買おうとしても、株価が高止まりしていて買えなくなってしまいます。
また株価が高止まりしてしまうと企業も安心して、あまり企業努力をしなくなったりもします。
日銀はETFを今の所は売却する予定はありません。
何故なら安定な物価指数2%を目指しているからです。
こういった事が問題となっているのですね。
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ブログ管理人:大佐

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2017/07/31(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)