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ミャンマーのロヒンギャ族問題とはどのような事かわかりやすく解説して下さい



ミャンマーのラカイン州に住む少数民族ロヒンギャ族が弾圧されている事がニュースとなっています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。



まずはどこで起こっているのか地図を見て見ましょう。↓


今回このニュースの場所となっているのがミャンマーにあるラカイン州と呼ばれている場所です。
ラカイン州のすぐ上にはバングラデシュという国もありますね。

ミャンマーは19世紀後半にイギリスと3回の戦争により植民地となっていました。
それから第二次大戦中に日本がイギリスから解放したりしましたが、日本が劣勢になり再びイギリス領となったりしました。

そしてついに独立を果たすのですが、ミャンマー国内で社会主義に対して民主化運動が起こったりとミャンマーという国事態は非常にややこしい歴史を辿って来ています。

今のロヒンギャ族の問題もこのような歴史によって引き起こされているのです。

ロヒンギャ族はもともとバングラデシュに住んでいましたがアラカン州に少しずつ移民してきました。
現在は推定で130万人以上といると言われています。

一方、アラカン州にはアラカン族という民族が住んでいました。
ロヒンギャ族はイスラム教を信仰しており、アラカン族は仏教を信仰していましたが、二つの民族は最初は争う事はありませんでした。

しかしイギリスが植民地化した事によって自体は変わります。

ミャンマーという国は全体で仏教徒が7割ほどいますがイギリスの植民地化にもちろん不満を持っていました。

イギリスはアラカン族が耕していた農地をロヒンギャ族の労働移民にあてがってしまいます。ロヒンギャ族は仕事があるので次々に移り住んで来るようになりました。
これによってイスラム教であるロヒンギャ族と仏教徒のアラカン族が対立してしまいます。

そして第二次大戦になり、イギリスがイスラム教であるロヒンギャ族を構成した軍隊を作り、日本は仏教徒であるアラカン族とイギリスの植民地に反対するミャンマー仏教徒達の軍隊を構成して戦いました。

一度戦ってしまえばもう戻れません。

その後1948年にミャンマーは独立を果たします。
イギリスから解放されたので必然とロヒンギャ族はミャンマーに居づらいですよね。
しかし社会主義を掲げたウー・ヌが首相となり特別行政地区を与えられ、そこで暮らします。

これで安心して暮らせる・・というわけにはいきませんでした。

1962年クーデターが起こりウー・ヌ政権が崩壊します。そして新しくネ・ウィン将軍が政権を取り「ビルマ式社会主義」を推し進めます。
(ビルマはミャンマーの旧名称です。ミャンマーという名称については今も論争があります。)

ビルマ式社会主義というのは経済の実権をビルマ人(今ミャンマーにいる7割を占める(仏教徒)人)の手に取り戻すため、外資企業や外国人を追放し、経済の国有化(外国の会社などは自分の国のものとしてしまう等)とするものです。

これによってロヒンギャ族は宗教も違うしバングラデシュから来たので外国人とみられてしまい、1982年に作られた『国籍法』によって国籍・権利が剥奪されてしまうのです。

現に今もですがビルマ人はロヒンギャ族の事を『ベンガル(バングラデシュやインドの西ベンガル州を指します)人』と呼んだりしています。

ミャンマーは社会主義となってしまいますが、1988年に民主化運動が起こりロヒンギャ族もこれに加担します。民主化運動を唱えるアウンサンスーチーさんが出て来るのもこの時代ですね。



しかしネ・ウィン将軍はこれによって辞任したのですが、民主化になったわけではありませんでした。
ミャンマー国軍がネ・ウィン将軍に変わって引き継いだような感じになってしまったのです。

ミャンマーは軍人がとても多い国です。
2015年にアウンサンスーチー率いる野党・国民民主連盟が圧勝して民主的な一歩を踏み出したのですが、軍人が重要な役職に就いていたりしますし、憲法も軍人の力を温存されるように作られています。

ですから民主化に一歩踏み出したと言っても軍が力を握っていて、ビルマ人もロヒンギャ族を差別したままとなっています。

そして現在も国籍や権利がない状態となっていて、弾圧・迫害を受けて難民となりバングラデシュなどにある難民キャンプに逃げています。

ただバングラデシュやタイを始め各国はロヒンギャ族の受け入れにあまり前向きではありません。

これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐
大佐
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2017/09/04(月) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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