スペインのカタルーニャ州が独立をしたいという声がここ最近盛んに起きています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
まず問題です。
スペインの首都ってどこでしょうか?
わからない・・は置いておくとしまして、バルセロナと言う方やマドリードと言う方もいるかもしれません。
ちなみにここで私がどちらかを選んで断言した場合は恐らくサイトが炎上します。(日本語のブログなので大丈夫でしょうが。)
答えとしては『形式上として第1の首都がマドリード、第2の首都がバルセロナ』という答えが1番無難な答えかと思います。
なんでこんな事になっているのでしょうか?
スペインという国は実はかなりの他民族国家として有名な国です。
バスク人、カタルーニャ人、アンダルシア人・・と言った民族が同じスペインに住んでいます。
それもそのはず。
スペインはいろんな国家が入り混じって作られた国だからです。
このまま歴史を書いて行くと非常に内容がわかりにくくなってしまうので、簡単に言いますとスペインという国を継承する民族戦争があり、そこで先のような民族同士が戦ったわけです。
そして民族が敗北したり勝利したりという歴史があるのです。しかしスペインという国の中でそれぞれの民族は根絶やしになる事はなく、生き残り、そしてそれぞれの民族のアイデンティティを持って今もスペインの国で生きているのです。
サッカーに詳しい人はわかるかもしれませんが、同じスペインの国内にあるチームなのにバルセロナとマドリードは仲が非常に悪いですよね?
これはバルセロナを首都としているカタルーニャ人、マドリードを首都としているスペイン人(カスティーリャ人)という民族が
いるからなんです。
スペインでは1947年からフランコ政権時代という歴史があり、その時からスペイン人を優遇してカタルーニャ人を弾圧してきた歴史があり、今もスペイン人はスペイン人を優遇する考えがあり、カタルーニャ人はその優遇に憤りを感じています。
その為カタルーニャ人はスペインという国の枠に囚われず独自の文化を持っています。
面白い事にバルセロナには英語・スペイン語の他に彼らの言語であるカタルーニャ語が表記されていて、カタルーニャ語が独自に使われています。
おまけに街の作りもバルセロナとマドリードの雰囲気は違いますし、カタルーニャには専用の国旗があります。
なんと同じ国内なのに違う国旗があるわけです。
つまり、それだけ民族意識が高いわけです。
サッカーも民族戦争の代理戦争としているので、あんなに敵対心むき出しのサッカーの試合となっているのですね。
この考えにスペイン政府(マドリードを首都とするスペイン人)は危機意識を持っていて、カタルーニャ語を禁止するような処置を過去に行ったり、今でもよく思ってはいません。
さて、ここ最近になってカタルーニャ州が独立を目指す動きが激しく起こっています。
これは2014年頃から特に盛んに起こり始めたのですが、その時にカタルーニャで独立の是非を問う住民投票が非公式の形で行われたのです。
この時に国民の8割が独立を支持しました。
やはり過去にスペインの継承戦争に負けましたし、弾圧から解放されたいという気持ちが強く、独立をしたいのです。
それから今度は2015年に州の議会選挙が行われました。この時は独立派がぎりぎりで議会の過半数を超えました。
こうなって来ますとますます独立運動が激しさを増したのです。
カタルーニャ州が一つ独立するというのは非常にスペインにとっては痛手です。
というのはカタルーニャは平均GDP(国内総生産(自分の国で生産・消費する割合で国民の豊かさの一つの指標となる))が高い地域なのです。
スペインにとっては独立されてしまうと、経済的にも痛手なのです。
けれどスペインはカタルーニャ人を良く思ってはいない・・なんとも難しい国家です。
カタルーニャは来月、10月1日にカタルーニャの独立を支持するかどうかの住民投票をするという方針を固めました。
スペイン政府側は住民投票は認められないとして裁判所に法律を無効にする訴えを起こす構えです。
しかしカタルーニャ州の首相は、裁判所の判断にかかわらず住民投票を強行すると言っています。
今回はこんな事がニュースとなっているわけです。
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ブログ管理人:大佐

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2017/09/08(金) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(2)