2017年度のノーベル物理学賞は重力波の研究が選ばれました。今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
重力波は100年前にアインシュタインがこの存在の予測をしました。
しかし、検証するには困難だとして「あるだろうなぁ〜」だけにとどまりました。
というのは重力波をしっかりと観測するには大きな実験施設や極めて分かりにくい変化をとらえなくてはならないからです。
重力波とはいったいなんだろうか?
という事ですが、重力波は重力の波と書きますね。
池の水に石を投げると石が沈んでいくと共に、水が下の方へ沈み波をうって広がります。(波紋(はもん)といいます)
これを宇宙で言いますと水が宇宙空間です。
石は重力の高い星です。
宇宙空間を平坦な空間として考えるのは難しいんですがとにかくそう考えて下さい。
そこに質量の重い星(重力が強い星)が爆発したり、星と星どうしが引き合ってくっついたりする運動が起こった場合に巨大なエネルギーが生まれて宇宙空間にまるで水のように歪み波が起こり、時間的な変化が現れるのです。
この重力波の検出のために作られた機械がLIGO(ライゴ)、レーザー干渉計重力波観測装置です。
LIGOはアメリカにある世界で一番精度の高い観測装置です。
日本にも似たような検証機、KAGRAと言うものがあります。
観測するためにはLIGOでは長さ4キロメートルのL字型に交差する2本のパイプにレーザー光線を走らせます。
パイプの両端には鏡が付いていて、その中に光を通すのです。そして、それぞれの光の線が往復するわずかな時間差を測ることで重力波をとらえます。
とにかく、光の届く時間差の変化によって重力波を観測するのですね。
しかしながらこのような観測装置を作ったとしてもまず星が爆発するか星同士が合体する現象が起きなければ観測ができません。
まず、この現象がめったに起こりません。
もっと遠くの銀河にあるそれらの現象をとらえる事が出来れば、もう少し多くの観測ができるでしょうが、世界一の感度を誇るLIGOでも一ヶ月に一回の頻度ぐらいでしか観測できないらしいです。
しかし観測したからといっても簡単に公表できません。何故ならそれが本物のシグナルかどうか検証しなくてはいけないからです。
公式発表とするには5ヶ月くらいになります。(現在、公式発表で4度ほど確認しています。)
ところで、この研究によって何がわかるのか?と言う事ですよね。
●アインシュタインが唱えた一般相対性理論が正しいのかどうかが検証できます。
●宇宙がどのくらいのスピードで膨張しているか。
●ブラックホールなどがいつどこで起こったかがわかる。
などです。
まあ、こう言ってはなんなんですがあまり私達の生活には役立ちそうにはな・・いや、研究というのはそういうものなのかもしれません。
ノーベル物理学賞はアメリカのマサチューセッツ工科大学『レイナー・ワイス名誉教授』、カリフォルニア工科大学『バリー・バリッシュ名誉教授』、『キップ・ソーン名誉教授』が選ばれました。
今回はこのようなことがニュースとなっているのです。
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2017/10/05(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)