ジンバブエのムガベ大統領が辞任を致しました。
今回は何故辞任をしたのか?とジンバブエの背景を含めて解説したいと思います。
まずは地図でジンバブエがどこにあるか確認をしましょう。
アフリカ大陸の南部にある国ですね。
ジンバブエといったら100兆ジンバブエドル札などが発行されたハイパーインフレで有名の国ですね。
お金の価値が無く、リンゴ一個買うにしても風呂敷一杯の札束が必要な国です。(今はアメリカのドル札を代用しています。)
今のジンバブエという国名はもともと13世紀〜14世紀に栄えたモノモタパ王国の都の名前から来ています。
しかし、ジンバブエはかつて「南ローデシア」と名前が変わってしまった時代があるのです。
19世紀になりますと多くの白人がアフリカへ進出して金鉱山などの採掘を行う様になります。
このジンバブエも同じように白人が進出して、一方的に南ローデシアと言う名前をつけて、ついにはイギリスの植民地となってしまいます。
黒人の方達はこれによって多くの迫害や人種差別を受けた事は言うまでもありません。
ムガベ大統領はこの南ローデシアの独立に活躍した人物です。
ムガベ大統領は黒人の解放を望むジンバブエ・アフリカ同盟の代表で1980年、見事にイギリスから独立を果たし、ジンバブエの首相となります。
この時ジンバブエの政治形態はイギリスの政治形態である議院内閣制(日本の政治形態ですね。議会が首相を決めたり首相が閣僚を選んだりするやり方です。)を用いてました。
その時にいた大統領というのは、カナーン・バナナという大統領です。
しかしその後、1987年に第2代大統領としてムガベ大統領が誕生します。
が、ここで政治形態に変化が起きます。
議院内閣制から「大統領制」に変わるのです。
大統領制はアメリカなんかがそうですよね。
大統領は国民の選挙によって決められ、大統領に非常に強い権限が与えられます。
そして37年間に渡り(もちろん大統領制ですから選挙によって選ばれるのですが何度も再選しています。)ジンバブエの大統領を行ったわけです。
ムガベ大統領は多くの国から独裁的な大統領と呼ばれていました。何故、ムガベ大統領は独裁的と呼ばれていたのでしょうか?
ムガベ大統領の年齢は93歳。
なんと辞任するまでは世界最高齢の大統領でした。
ムガベ大統領は黒人と白人との融和政策に努めたり、教育の水準を上げたり乳幼児死亡率を減らしたりと、なかなか良い功績を持っています。
しかし2000年代に入ると独裁的と呼ばれて非難されるようになります。
何故こんな事になってしまったかと言いますと、一番のきっかけは白人の農場主から土地を強制的に回収して黒人の労働者に分配した事でした。
これをきっかに欧米諸国との関係が悪化して、独裁者と呼ばれるようになるわけです。
はい。
ちょっと一旦中断して、ここまでのジンバブエの背景を踏まえた上で、ムガベ大統領が行なった行為を考えてみましょう。
いろんな意見があるかと思います。
さてその後、欧米諸国から経済制裁をされてしまいます。経済制裁というのは対象となった国と貿易を断ったり、銀行とのやり取りを行えなくしてしまったりする事です。
これによってジンバブエの経済に深刻なダメージを与えられ、なんやかんやありまして、冒頭でも話したようなハイパーインフレ国となってしまいました。
ムガベ大統領は白人に対しても非常に敵意を持っており、白人への言動や国の政策に失敗した(これは大統領)にも関わらず37年間に渡って大統領をしているという事で独裁者と呼ばれていたのです。
ただ、同国ではムガベ大統領を尊敬している国民も多くいらっしゃいますし、反対している国民もいます。
実は今回大統領が辞任したのは、国民が総結して大統領を辞めろ!といって辞めたわけではありません。自ら率いていた与党の考えが異なり分裂してしまったのです。
そして、分裂したムガベ大統領反対派とジンバブエの軍がムガベ大統領を辞任するよう求め、そして11月21日、37年間務めた大統領の座を自ら降りたのです。
今回のニュースはこのような事を言っているのですね。
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2017/11/22(水) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)