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サウジアラビアがなぜ石油依存をやめたのかわかりやすく解説してください



石油依存からの脱却を目指すサウジアラビアでビジネスフォーラムが開かれ、日本の企業が再生可能エネルギーの技術アピールしました。

今回はなぜサウジアラビアが石油依存をやめたのかわかりやすく解説したいとおもいます。



石油、原油の量を測る単位は『バレル』と言います。1バレルは大体160リットルです。

ここサウジアラビアでは原油の埋蔵量が世界で2番目にあります。(1位はベネズエラ)
どのくらいあるかははっきりわかってはいませんが、2670億バレルほどの原油があると推定されています。

もちろんサウジアラビアは長い間、石油を売って国の経済を支えて来ました。

しかしながら今後も国を支えようとしていた原油事情が大きく変わってしまいました。

『シェールオイル』の登場です。

シェールというのは「頁岩」(けつがん)と呼ばれる、岩石のことです。
ここから採れる原油が「シェールオイル」です。(また天然ガスも取れ、これをシェールガスといいます。)

アメリカでは以前からこの資源に注目していましたが、掘削するには技術力と膨大な費用がかかってしまうために諦めていました。

しかし2006年頃に新技術が登場し、掘削費用が大幅に減った事でシェールオイルを掘り出す事が出来るようになったのです。

そして国内の天然ガスの値段が下がったりなどアメリカのエネルギー事情が大きく変わりました。
これを俗に『シェール革命』と言います。

このアメリカのシェール革命はアメリカだけでなく、世界に影響を与えました。
なにせ世界の石油供給量を一気に増やしてしまったからです。

需要と供給の話になりますが、供給量、すなわち物がたくさんあれば必然と値段が下がります。
もちろんそれは石油も同じです。

世界では石油が過剰供給となってしまったので、石油の値段がどんどん下がってしまったのです。



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さて、ここまでが前提の話なのですが、これにいち早く問題視したのがOPEC(石油輸出国機構)です。

OPECは産油国の利益を守る目的に、石油の生産量や価格の調整をするための役割を果たす組織です。
OPECにはこのような国の13ヶ国が加盟しています。

・サウジアラビア
・イラク
・アラブ首長国連邦
・ベネズエラ
など

もちろんアメリカはOPEC加盟国ではありません。

OPECでは石油価格の下落を防ぐ為に、生産量を減らそうなどを話し合いました。
しかし、生産量を減らせば価格は上がるかもしれませんが、アメリカに石油シェアを取られてしまいます。

そこでアメリカのシェール革命を潰す為に、アメリカ対OPECの価格競争合戦が行われたのです。
一時期行われた牛丼の価格競争みたいなものです。

現在はこの価格競争でシェール革命は下火になりました。しかしOPEC加盟国はこれによって大きな経済的ダメージを受けました。

サウジアラビアも例外ではありません。

サウジアラビアの財務省によりますと国の財政赤字は2014年度は144億ドル、2015年は980億ドルを計上しました。

これは国が典型的なな石油依存国家である事の証明なのです。

サウジアラビアは原油を輸出してお金を稼いでる他に、大量の石油消費国家でもあります。

国内のエネルギーは石油を燃やした火力発電で賄われていますし、医療費や大学までの学費が無料であったり、電気やガス代が格安なのも原油があるからこそできる事です。

今までは原油の値段が高値で取引されていたので国民も手厚い社会保障が受けれていました。
しかし原油の値段が下がってしまった今は前の様な生活をする事が困難となってしまったのです。

手厚い社会保障を無くせば良いかもしれませんが、絶対王政の国なので、無くしてしまうと国民から反感を食らい権力を維持できなくなってしまうのでなかなかできません。

ですから国で貯金していたお金を切り崩して補填(ほてん)をしたり、お金を国内や海外から借りたりしました。

シェール革命が下火になったとしてもまだまだ価格競争がアメリカと続いていますし、OPECに加盟してますから勝手に生産量を増やす事も減らす事もできません。

石油を売っても儲からない、国には社会保障などの補助金を大量に投入・・。
このままでは数年後に国が破綻してしまう!!

そこで石油依存を止めようという主体に変わったのです。

そして2030年までの構想として『vision2030』という施策を掲げました。

vision2030には女性の社会進出や観光業の活性化などがありますが、その中に石油以外の資源開発の促進や再生エネルギー(太陽光発電とか)が盛り込まれたのです。

この再生エネルギーの技術を取り入れる為にビジネスフォーラムを開催して、世界の技術を取り入れようとしたわけですね。

今回はこの事がニュースとなっているのです。
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大佐
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2018/01/16(火) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)

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