アメリカのトランプ大統領が「ドルはどんどん強くなるだろう。最終的に強いドルになるのを望んでいる」とテレビのインタビューで発言しました。
今回はこの発言は一体何なのかと、どのような影響を与えるのかを解説したいと思います。
まずは「強いドル」ってなんだろうと言う話です。
お金に強いとか弱いとかあるのかって事ですが・・
あるんです。
皆さんも為替という言葉は一度は聞かれた事はあると思います。「本日の為替相場は〜うんたらかんたら」と、毎日ニュースでやっています。
為替というのは江戸時代ごろに遡ります。(もっと昔からありましたが江戸時代が一番栄えました。)
昔は今みたいに銀行のATMでお金をピピッと送る事はもちろんできませんでしたから、お金は人が運んでいました。
しかしながら大昔の日本は山賊もいますから治安が悪くて、途中で強奪される事もあったのです。そこで両替商と呼ばれる方に為替手形という物を発行してもらいました。
まあ証明書みたいなものですね。それを離れた別の両替商まで持って行って、その両替商から現金をもらっていたのです。
もちろん両替商は手数料を貰います。
これを内国為替なんて呼ぶんですが、とにかくお金をある地点から別の地点に運ぶ行為をするのです。
と、いうことは日本からどこかの国にお金を運ぶのも同じですね。日本から現金をアメリカに飛行機で送るでもいいかもしれませんが、そんな事しなくても今はネット回線などでピピッとおくれちゃいます。
しかしながら日本では「円」、アメリカでは「ドル」という通貨が使われているので、そのまま円を送るわけにはいかないわけですね。
そこで通貨の交換が行われ、じゃあ1ドルは100円と交換できるようにしようと約束がかわされるのです。
しかし、ここでお金自体の需要と供給が起こります。例えばアメリカのドルを沢山買って何かに投資したい日本人が沢山いるとします。
ドルがほちいの!日本円と交換して!
そうやって交換しますとアメリカにあるドル紙幣が無くなります。
ドルがなくなると、そのドルに希少性が出てきます。希少性が出ますとそのドルの価値が上がりますよね。
したがっていつもなら100円で1ドルが買えたのに200円払わないと1ドルが買えなくなる!という状況になるわけです。
円の価値がなくなりドルの価値が上がる
これが『円安ドル高』です。
逆にアメリカ側から見れば今まで1ドルが100円だったけど200円の価値になるのでアメリカ側からしたら1ドルが200円の価値になった!という事になります。
この逆パターンが『円高ドル安』になります。
では問題です。日本が車をアメリカに輸出した時にお金が儲かるにはどちらでしょう?
はい、仮に100円の車だったとしてアメリカに売ったら2ドルになって返って来たら嬉しいわけですから、円安ドル高ですね。
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では話を最初に戻して「強いドル」とは何かと言いますと、『ドル高』の事を指します。
日本の立場で言えば「円安ドル高」(日本にとっては輸出に有利な状態)の状態の事です。
ドル高になれば海外からは沢山の物がアメリカに輸出されるようになります。つまり資金がアメリカに流入されるようになります。
昔からアメリカは強いドルでアメリカの経済成長を反映してきました。1995年のクリントン政権時代から引き継がれている、大原則みたいなもんです。
ドル高になりますと、アメリカにとっては輸出に不利になってしまい、アメリカの製造業の生産性が落ちます。
また国内の産業が海外に逃げてしまいます。
しかし、アメリカは国内の会社の法人税(会社が払う税金)を下げる政策をしました。
これによって海外に企業が逃げる事を防いでいます。
また関税(輸入した際にかかる税金)を高くした事で、沢山の物がアメリカに輸出されにくくさせる政策を考えています。
おまけに為替操作の食い止めと言って、中国や日本に「お前らは自国の通貨を安くさせ過ぎてる!なんとかしろ!」といって圧力をかけたりしているのです。
トランプ大統領が就任した際に「アメリカ、ファースト!」という演説を覚えているでしょうか?
自国の経済を一番に考えるという演説です。
「強いドル」にする事と、それにたいしての対策をしっかりする事で自国の経済を伸ばそうとしているわけですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/01/26(金) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)