安倍首相が働き方改革の裁量労働制のデータ誤用に関して認めた事がニュースとなっています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
まず働き方改革というものを振り返って見ましょう。
働き方改革と言うのは、「一億総活躍社会を実現するための改革」というものです。
これは何も仕事をしてる人だけにフォーカスを当てているわけではありません。
これから日本の人口が減ってさらに高齢化社会になって行っても、50年後は人口1億人を維持して、仕事だけでなく地域や家庭と言った環境でみんなが活躍できるような社会にしていこうとするものです。
ちなみに50年後の日本人の人口ということですが、今のまま行けば2060年には8670万人程に減ります。(いま現在は1億2656万人くらい)
当然ですがこうなってしまいますと深刻な労働力不足となってしまいます。
そこで労働力の確保をする為に、子育てにかかるお金を国が負担して出生率を上げる工夫をしたり、女性がもっと働けるように保育園を設置し出したりと政府がしているわけです。
またこれだけではなく「労働の生産性」を上げて不足してる労働力を補おうともしています。
以前は残業をする人ほど評価されたり、逆に仕方なく残業をしても評価されなかったりする方が大半でした。
ですが労働の生産性を上げる為に「成果主義」という新しい人事評価を取り入れるような企業が増やすようにしましたし、企業もそのように変わりつつあります。
要は残業分余計に働いたから評価!ではなく、短時間で効率よく結果を出したら評価!という事に評価の基準が変わって来たのです。
で、このような評価方法をとりますと、会社は従業員の勤務時間に対してはあまり考慮をする必要性がなくなってしまうわけですね。
そこで出て来たのが「裁量労働制」です。
裁量労働制は実働時間ではなく、例えば一ヶ月130時間働いたという事にし決めてしまいます。
それで実働時間が150時間だったとしても、100時間だったとしても130時働いた事にしてしまうのです。
じゃあ多く働いたら損じゃん・・と当然思うかもしれませんが、先程申しましたようにあくまで評価は成果主義なのです。
また裁量労働制は全ての職種に適用しているわけではありません。
「専門業務型」と「企画業務型」の二つに限定しています。
専門業務型というのは、例えばデザイナーと言った職についてる方なんかですね。
デザイナーであれば一ヶ月にこれだけのデザインを考えれば仕事が終わり!と言った具合に比較的に目標を立て安いですし、成果もわかりやすいですよね。
企画業務型というのは、例えば何かの企画をしている方や調査をしたりする方です。
要は対象とするのは時間ではなく、結果で評価されやすい職業が対象となっているわけです。
若干納得いかない所もあるかと思いますが、とにかくこれが裁量労働制なわけです。
では安倍首相が裁量労働制のデータを誤用していたと認めていたというのは何か?ということですよね。
裁量労働制はみなし時間としているので、一方ではサービス残業の温床になると危惧されています。
みなし時間と実労働時間とがあまりにもかけ離れていても、裁量労働制という事で処理されてしまうからです。
みなし時間より実労働が少なければ良いですが、なかなかそうはいかない方が大半を占めていると思いますし、裁量労働制には疑問が残りますよね。
政府は裁量労働制で働く人の方が一般労働者よりも労働時間が短いとしており、安倍首相も1月29日の衆院予算委員会でその様に答弁をしていました。
しかし、この後に答弁をした際のデータが正しいデータではなかったという事を認めたのです。
ただ、安倍首相は実際に働く人の労働時間の再調査を行う必要はないとの考えを示しています。
ちなみに補足ですが、裁量労働制だと残業代が支払われないと勘違いする方もいらっしゃいますが、それは違います。
裁量労働制だったとしましても労働基準法の規制は適用されます。
例えば1日の裁量労働時間が9時間としていた場合、労働基準法では1日に8時間以上働いた場合は残業が出るようになってますから、1時間分の割増賃金がでる様になっています。
今回は裁量労働制についてのニュースでした。
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ブログ管理人:大佐

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2018/02/22(木) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)