再生可能エネルギーの買い取り価格が下がった事がニュースとなっています。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
みなさんのうちでは太陽光パネルを設置しておりますでしょうか?一時期は太陽光発電がブームとなり、もしかしたらその時に設置した方もいるかもしれません。
設置した理由は自分の家の電力を太陽光発電で賄おうとしたり、発電した電力を売る為の理由ではありませんでしたか?
太陽光発電の設置がブームになったのは2012年以降ですね。
2011年に東日本大震災がおこり、原子力発電が停止した事で電力不足や再生エネルギーに注目が行きました。
そして2012年7月に施行されたFITと呼ばれる制度が作られた事によって爆発的に太陽光パネルを設置するブームが訪れたのです。
FITというのはFeed-in tariffの略称で「固定価格買取制度」と訳されます。
太陽光発電や風力発電と言った自然エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間同じ価格で買い取る制度です。
この制度がなかった以前は自然エネルギーによる発電事業をしたくてもなかなか参入しにくいものでした。
というのは、例えば太陽光パネルを設置して電力会社に電気を売ろうと思ってもビジネスとして成り立たせる事が難しかったのです。
何故なら太陽光パネルは設置するだけで高額なお金がかかってしまいます。
さらに売るとしても設置代などのコストを入れて売らなくてはいけませんから非常に高くついてしまったのです。
その為、いくら自然エネルギーを利用した発電設備を作って電気を売ったとしても赤字になってしまう事もあるので参入しようとする人がいなかったのですね。
しかしFITができた事で、例えば10年間という期間で、10キロワットの発電量なら◯◯円というように一定の値段で、しかも高い値段で買い取ってくれるようになったのです。
これで一気に自然エネルギーを利用した発電ビジネスが成り立つ事ができるようになり、太陽光発電と言った発電所がたくさん作られました。
太陽光発電の買い取りワット量は大きく分けますと3つに分けられます。
①10キロワット未満
②10キロワット以上2メガワット未満
③2メガワット以上
この中で②番が一番導入量が多い発電量です。
②の場合となると20年間同じ値段で買い取ってくれるのですが今までの買い取り価格は21円/キロワットでした。
所が今年の2月7日に18円でしか買い取ってくれなくなったのです。
つまり2月7日以降に新たに太陽光発電設備を作って電気を売る人はこれから先、20年間は18円のままとなってしまうのです。
なぜこんな事になってしまったのでしょうか?
FIT制度が出来て何故再生可能エネルギーのビジネスが成り立つことができたのかといいますと、電気利用者が払っている「再生可能エネルギー発電賦課金(ふかきん)」を補助金として活用する事が出来たからです。
実は皆さんの電気料金の明細書を見てみますと、2012年7月から「再エネ発電賦課金等」という項目が追加されており、電気料金に加えてその分のお金が徴収されています。
再エネ賦課金は、電力会社が電気を高額で買い取るための補助金として使われていて、最終的に再生可能エネルギーで電気を作っている方へ支払わられます。
再エネ発電賦課金は全国一律の単価になるよう毎年経済産業大臣が設定します。
しかしこれ、言ってみれば自然エネルギーの導入をする事業者が増えれば増えるほど、この再エネ賦課金は高くなってしまい、国民にとって負担となってしまうのです。
確かに自然エネルギーが普及すれば化石燃料を燃やさずに電気を作れてエコですし、仮に原油価格が上がっても電気料金の変動を抑える事ができるようになります。
また、近所の発電事業者から電気を購入するようになればエネルギーロスも少なくなり、資源の有効活用になります。
ただ、いくら自然エネルギーを普及させる為と言っても、私達の払う電気代が高くなるとなんだか釈然としないですよね。
もちろんこれについては批判がされておりまして、FITの価格が段階的に引き下げられるようになったのです。
買い取り価格が引き下げられてしまうと、発電事業者がビジネスをする事が困難となってしまい、実際に発電事業者の倒産件数は増えています。
今回の買い取り価格の値下げはさらにこの先も起こるとされており、今後は売電ができなくなってしまう可能性もあります。
今回はこのような事がニュースとなっているのです。
▼大佐のブログが本になりました。

自己紹介
ブログ管理人:大佐

趣味は家の掃除からバイクまで幅広く。 当ブログの更新や若い方中心にニュースをわかりやすく解説しています。 広告主募集中!▶︎こちらからご連絡をお願い致します。
2018/02/26(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)