トランプ米大統領が3月1日に、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課す意向を表明しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
このブログでも何度か出てきておりますので、知っている方も多いと思いますが、まずは関税から解説していきましょう。
関税とは外国から輸入した製品や食品などに税金をかけて、国内の産業を守るものです。
例えば牛肉ですね。国内でもを生産していますが、海外からもお肉を輸入して日本人の食卓に並べられています。
ですが、国内で生産されたお肉の値段と海外で生産されたお肉の値段はどうしても差が開いてしまいます。
国内産は高く、外国産は安いのです。
なぜ国内産と外国産を比べると値段に差が開いてしまうのかと言いますと、エサ代と人件費と流通経費が主です。
日本の場合はかなりの手間暇かけて肉牛を育てますから多く生産しようとすると人件費やエサ代のコストがどうしてもかかってしまいます。
外国産の肉牛と同じように日本でも生産すればいいじゃんと思うかもしれませんが、エサは輸入に頼ってますし、面積が外国に比べて狭いので沢山の肉牛を生産する事は無理なのです。
また、基本的に少量の物を運ぶ場合は割高になりますから、外国から大量の肉を船などで運んでくれば輸送コストも安くなるのです。
というわけで国内産と外国産では値段に差が開いてしまい、そのままスーパーで売ってしまいますと安い外国産の肉ばかりが買われて国内産が売れなくなってしまうのです。
そこで輸入した製品や食品などに税金(関税)をかけて、国内の商品と同じくらいの値段になるようにするわけですね。
こうすれば国内産も外国産も値段にあまり差が出なくなるので消費者も両方買うようになり、国内で作られた物を守る事になるのです。
このような関税は牛肉だけでなく、様々なもので世界中で行っております。アメリカが鉄鋼に対して関税をかけた理由も自国の鉄鋼業を守るためです。
では、アメリカの鉄鋼はどのような国から何%くらい輸入されてるのでしょうか?
上の図は2017年度のものですが、多いのはカナダ、ブラジル、韓国ですね。
近年、中国とアメリカの貿易摩擦が注目されますが、中国は2%と意外に少ないですね。
全体では大体年間3600万トンをアメリカは輸入してると言われています。そしてこのような鉄鋼に25%の関税をかけようとしているわけです。
ただ国によって同じ25%の関税をかけるとは言っておらず、国によって割合は変わってくるかと思いますが、まだどの国にどれくらいの関税をかけるかは明らかになっていません。
これらの事で各国は反発を見せ始めています。
例えばEUでは仮にEUの鉄鋼に対して関税をかけた場合は、アメリカのバイクに関税をかけようと考え始めていたりします。
日本ももちろん対象となりえますので、日本の鉄鋼業に大きなダメージを与える可能性もあります。
各国でアメリカの関税による報復措置を取り出しますと、貿易摩擦が激化する可能性があり、問題になっているのです。
これが今回のニュースですね。
▼大佐のブログが本になりました。

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ブログ管理人:大佐

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2018/03/05(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(2)