中国の北京で開催された第13期全国人民代表大会で
国家主席の任期を撤廃する、憲法改正法案が賛成多数で選ばれました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。
全国人民代表大会は「全人代」などと訳されますが、日本で言えば国会のようなものですね。
何をするかと言いますと憲法の修正したり、首相や国家主席という職務に任命したり、予算をどのくらい使うかなどを話し合ったり、決定したりします。
全人代は年に1回、3月に10日から2週間ほど開かれまして、国会議員が3000人ほど集まります。
3000人も集まったら話し合いなんてまとまらないんじゃ・・と思うかもしれませんが、共産主義ですからね。
国がこの方針で行くと決めたら大体その通りに国会議員も賛成したりするわけです。
ですが、一応賛成、反対の票は手元にあるボタンを押すと、電光掲示板に表示されます。(匿名にはなっているみたいですが、そこはわかりません。)
今回の全人代のメインテーマはブログの題名にもありましたように、国家主席の任期についてでした。
現在の中国国家主席は「習近平(シュウキンペイ)」さんですね。共産党に所属しています。
国家主席というのは首相よりさらに上の方です。
ちなみに現在の首相は「李克強(リコクキョウ)」さんです。
ちょっと話はズレますが、中国の共産党には二つの派閥があります。
一つは中国共産主義青年団。
もう一つは太子党(たいしとう)です。
中国共産主義青年団は一般の人が幹部に登りつめた人達の事を指します。
太子党というのは親が共産党の重要ポストにいて、そのコネ(表現が悪いですが)で入った人達の事を指します。
李克強さんは中国共産主義青年団でして、習近平さんは太子党ですので、二人には派閥があります。テレビで見ると二人の仲が悪そうに見えますw
習近平国家主席は2013年に国家主席となりました。
習近平さんの怖い所はトップに君臨しますと、それまで首相の仕事であったものをすべて自分の力の及ぶものに変えていったんです。
ですから、国家主席と言ってますがいろんな肩書きがあります。中央軍事委員会主席、中央外事指導小組組長、中央インターネット安全指導小組組長なんていう肩書きもありますね。
また、議員の中で蔓延して放置状態だった汚職を取り締まりまくって、逮捕したりクビにしちゃいました。
さあ、そんな国家主席の任期ですが、今までは1期5年で、継続したい場合は2期まで可能でした。(つまり10年経ったら交代)
この事は1982年に鄧小平(トウショウヘイ)さんが決めました。権力が一人の人物に集中されないようにする為です。
しかし、今回の全人代でこの任期を撤廃する憲法改正案が99.8%(3000人が投票し、反対票は2票、棄権票は3票)で賛成されたのです。
さらに憲法には習近平国家主席の思想まで含まれる事になりました。
この事で今後も習近平国家主席が最高指導者として君臨し続けるという見方が強まっています。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/03/12(月) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)