EU=ヨーロッパ連合が大手のIT企業に対して、売上高に課税する「デジタル課税」の案を発表しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説していきたいと思います。
私達もそうですが、企業も必ず税金を納めなくてはいけない決まりがあります。
それは国内の企業は当たり前ですが、海外の企業が国内に会社を置いた場合も同じです。
例えば日本にGoogleの企業が置かれた場合は、日本の税率が適用され法人税が課されます。
支店であったり、工場が置かれた場合も同じです。
このように現行のルールでは「物理的な拠点が対象の国にある事」によって税金を課すように出来ています。
しかし、売るものである「商品」だけに注目しますと曖昧な事になってくるのです。
例えば海外に拠点を置いている本を作っている会社があったとします。
本ですから「実態」があるものです。
そしてそれらを日本に売ろうとしますと飛行機やら船やらで日本に運ぶ事になります。
そうしますと日本で関税(国内の製品を守る為に安い海外の製品にわざと税金をかけて、国内の製品と同じような値段にさせる税金)をかけたり(本にかかるかは分かりませんが・・)、物流に対しての税金をかける事ができるのです。
何故ならモノという実態があるので、いくつ売ったのでいくら税金をかけるか?が把握できるわけですね。
しかし、デジタルコンテンツという商品だった場合はどうでしょうか?
例えば同じ内容の本でも紙ベースではなく、インターネットを介してデータで売った場合です。
こうなるとどのタイミングで税金をかけていいかわからなくなります。それに物流にかかる税金も発生しません。
データで売った本に対してわざわざ日本で売れたからいくら税金がかかったとか、フランスだから税金がいくらだとかは必要がないのです。
法人税の安い海外に拠点を置いている会社であればなおさらお得です。
それで「企業が利益に見合った税金を納めずに税金逃れしているじゃないか!」と不満だったわけですね。
このような問題というのは以前からありました。
製造業のような企業に比べますと税率は半分ほどしか払っていないと指摘されていたのです。
しかし、なかなかこのデータという曖昧な存在に対して課税をするのが困難だったわけですね。
そこでEU が下記に書いたような条件に当てはまる企業に対して、3%の課税をすると発表しました。
●世界の売上高が980億円を超える
●EUで65億円を上回る収入を得ている
●年間売上高が9億を超えている
●顧客数が年間10万人以上ある
●年間3000件超のビジネス契約がある
など。
要はIT企業に対してこのような条件に当てはまる企業は国内に拠点があるものとみなして課税をするとしたわけです。
じゃあどんな企業が当てはまるかと言いますと、GoogleやAmazonとかTwitterなんかの会社ですね。
全部含めると120~150社が対象になると言われています。
これに対して、たくさんのIT企業があるアメリカやIT企業が反発をしています。
ただ、EUの中にはIT企業の拠点を置いても良いですよ!としてきたアイルランドやルクセンブルクなんかは慎重な姿勢です。
それにEUでは加盟している国の28ヶ国の承認を受けなくてはなりませんから話はこじれそうです。
もしこれが承認された場合はEU全体で年間に約六千五百億円の税収が入る事になります。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/03/23(金) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)