日本年金機構で、データ処理を委託した情報処理会社が個人情報の入力ミスによって、年金を過少に払ってしまっていたと発表しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
このニュースは入力ミスによって本来貰えるはずの年金の金額が少なくなってしまったり、逆に貰える金額が多くなってしまったという事です。
一体何がどうなってこんな事になったのでしょう?
年金は全ての国民が20歳から払うようになっています。
以前は最低25年間払わなくては年金を貰えない制度でしたが、平成29年8月1日からは、10年以上あれば貰えるように変わりました。
ただし「10年間払ったからもういいやー」という考えで年金を貰おうとしますと悲惨な事になります。
例えば自営業などをしてる方が入る国民年金に加入して10年間払い、年金を貰おうとしますと年間で20万円ほどしかもらえません。
一月だと1万6千円くらいです。
会社員が入る厚生年金だと年間で50万円ほどです。
でもまあ多分そんなに貰えません。あくまで掛けた月数分が多いほど貰える仕組みです。
さて年金のずさんな管理が問題になったのは2007年の事ですね。
どんな問題だったかと言いますと、「年金の記録が残っていない」というものです。
記録が残っていないという事は、いつからいつまでいくら年金を納めたかわからないという事ですから、下手をすると年金を貰えなくなったりするのです。
これは人為的なミスによるものでした。
以前は、転職をしたりすると新しい年金番号が付与されたりしており、一人につき複数の年金番号が付与されている人もいました。
しかし、複数の番号が付くと管理が複雑になってしまいます。そこで1997年に年金番号を1つに統合しようとなったのです。
この年金の番号を統一する際に問題が起こりました。
社会保険庁の職員がこの時に1つ1つ入力をしていたのですが入力ミスが多発してしまうのです。
この事で入力されていない年金番号が1千万件以上も発生したり、五千万件以上も統合されないデータが残ってしまったのです。
わからなくなってしまった年金番号はその後に半分くらいは解明できましたが、現在も残ってしまっており、既に亡くなってしまった方もいらっしゃいます。
これによって年金の業務をしていた社会保険庁は解体されて、現在は日本年金機構という組織が新たに年金の業務を担いました。
では今回のニュースの原因はといいますと、入力ミスというより、やり方に問題がありました。
日本年金機構は年金の個人情報の入力を豊島区にある株式会社SAY企画という所に委託をしていました。
SAY企画は従業員が80人ほどの、言ってしまえばあまり大きな会社ではありません。
ここに1300万人分の年金データの入力を依頼したのですが、業務が多すぎたのか面倒だったのかはわかりませんが本来は禁止されているはずだったのに、無断で中国の業者へも再委託をしてしまいました。
この個人情報の入力は二人一組でミスがないように入力するように指示されていましたが、なんとスキャナーに取り込んでデータを読み込ませていたのです。
みなさんもスキャナーに読み込ませてデータを取った事がある方もいると思いますが、スキャナーだとデータが一部読み込めなかったり、文字がおかしくなってしまう事があります。
機械が誤認識してしまうのですね。
これによって入力ミスなどが起こり、年金のデータがおかしくなってしまったのです。
そして判明しているだけで、所得控除申告書に関する入力ミスが約31万8000人分、入力漏れが約8万4000人分がおかしくなってしまいました。
被害は深刻で、年金を本来より少なく支払っていた受給者数は約10万4000人。
また受給者約4万5000人に総額約8000万円の過大支給がされてしまったのです。
これらをまとめますと総額が約20億円に上り、4月には修正をしますと日本年金機構は発表しています。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/03/27(火) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)