経済産業省が新しくルールを設けて、送電線の空き容量を増やし、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が受け入れやすくする事にしました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
電力の自由化は2016年の事ですね。
これは大きな電力会社だけが発電して電気を提供するだけでなく、もっといろいろな電力会社が参入して発電した電気を提供し易くするルールです。
今までは大半の方が東京電力など大きな電力会社と契約をしていたと思いますが、この電力の自由化でいろいろな電力会社と契約がし易くなったのです。
みなさんのうちにも「電気は◯◯で!」みたいなパンフレットは送られて来てませんか?
このように電力の自由化で沢山の発電会社が増えました。
電気は当然ですが電線を通ります。
もちろんこうして新規参入してきた発電会社も電線を使って電力をみなさんに供給します。
しかし電線や鉄塔、電柱などを新たに建てますととてもお金がかかりますので既存の大手電力会社が作った電線などを利用して電気を送っているのです。
もちろん利用料を払って使わせて貰います。
ただ、発電会社がお金を払えば好きなだけ電線を使って無限の容量の電気を流す事ができません。
電線は電気を流せる容量というのが決まっており、(許容電流といいます)電気がスムーズに流れるようにこのようなスペースを確保するようルールが決まっているのです。
●火力発電・再生エネルギーで発電した電気を50%
●緊急時用として使う為に50%
(※内訳はざっくりですが)
このようなルールがある為、再生可能エネルギーを使って電気を作り出している発電会社は今このような問題を抱えています。
・電気は作れるけど、送電線に空きが無くて電気が送れない・・。
・送電線に空きが無くて太陽光パネルなども設置できない・・。
電線に空きスペースがないので、せっかく電力を作っても電気を流せなかったり、太陽光パネルを設置できるいい場所を見つけても、電線に空きが無いので諦めなくてはいけなかったのです。
そこで電線の利用の仕方を見直しました。
「日本版コネクト&マネージ」というやり方です。
日本版と付いていますが、これはEU(欧州連合)諸国で広く導入されている送電線利用ルールを日本版で作ったからです。
コネクト・・再生エネルギーを送電線につなぐ
マネージ・・電気の流れを管理する
という意味があります。
ちょっとわかりにくいので、これを旅行に持って行くトランクに例えましょう。
トランクが電線の容量とします。
そしてそのトランクに服やイチゴ柄のパンティーを半分入れたとします。これが、火力発電・再生エネルギーで発電して流すために確保した50%分です。
そしてトランクにはお土産用としてスペースを半分空けておきます。
これが緊急時用として使う為に確保した50%分です。
しかし、トランクにしまった服やイチゴ柄のパンティーをもっとぎゅうぎゅうに詰めてあげれば空きスペースができますね。
またお土産用として空けておいたスペースをちょっと減らす用に考えればさらに空きスペースが出来上がります。
電線も同じ事です。
火力発電や再生可能エネルギーで発電した電気は実際に50%全てのスペースを使っているかとそうではなく、50%分を確保しているだけで、実際に電気が流れているのは20〜30%くらいです。
つまり空きスペースがあるのです。
また緊急時用として50%も空きスペースがありますから、これも削れば空きスペースができます。
そこでこのスペースを見直して再生可能エネルギーの電気の通り道として使えば良いじゃないかと考えたわけです。
実際に東北電力が試験的に導入したところ、空き容量が最大で60%増えたという報告があります。
ただ、いずれ発電会社が増えてしまった場合はパンクしてしまうので、電線を増やさなくてはいけない可能性はあります。
暫定的な対応ではあるのですが、発電会社にとっては嬉しい話で新しいルールに期待を寄せています。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/04/03(火) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(1)