シリアで化学兵器を使用したとして、アメリカがシリアにミサイル攻撃を行いました。
今回はシリアで使われた化学兵器とそもそも化学兵器はなぜ禁止されているのかわかりやすく解説したいと思います。
まず化学兵器の意味を改めて見てみましょう。
化学兵器は毒ガスと言った化学物質により、人や動植物に対して被害を与えるため使われる兵器です。
毒ガスなどをミサイルや爆弾に取り付けて、大量に殺傷させるので、大量破壊兵器の仲間として位置付けされていています。
化学兵器は第一次世界大戦(1914年〜1918年)にドイツが初めて使用したと言われています。この時に使用したのは塩素ガスで5000人の死者が出ました。
実は化学兵器の使用については1899年にオランダのハーグという場所で、ハーグ万国平和会議が開かれ「毒ガスを使用しないようにしましょう」と禁止されていました。
しかし、法的な拘束力がなかったので戦争で使用されてしまったのです。
その後、1925年にスイスのジュネーヴと言う場所で化学兵器などの使用の禁止を定めた国際条約が開かれましたが、結局は第二次世界対戦でも使用されてしまいました。
化学兵器の利点はあまり費用をかけずに、簡単に開発ができて大量に殺せる所にあります。
ですから特に北朝鮮やシリアといった国では保持してしまう傾向があるのです。
そして、使用してしまった一帯は汚染されて酷い時は何十年もそこで生活ができません。
ベトナム戦争ではアメリカが9年間も枯葉剤を撒き続け、50万人もの人が苦しめられ、今も後遺症に苦しんでいる人がいます。
このままでは歯止めが効かなくなってしまう・・そこで1997年の4月に『化学兵器禁止条約』という国際条約が出来たのです。
化学兵器禁止条約は化学兵器を使用する事はもちろん、保有や生産、また譲渡と言った行為を禁止にする国際条約です。
怪しい場合は抜き打ち検査をする事も可能です。加盟国は192ヶ国にのぼっていますが、北朝鮮やエジプトは加盟していません。
シリアも加盟しており、以前に化学兵器の廃棄を完了させたはずでした。
しかしながら今回、化学兵器使用の疑惑があがり証拠とするサンプルも採取されたのです。
調べたのは化学兵器禁止機関というオランダのハーグにある本部にいる人達でした。
使用されたのは塩素ガスやサリンと見られています。
化学兵器禁止条約に加盟しているにも関わらず、化学兵器を使用したというわけで、シリアはアメリカからミサイル攻撃を受けたのです。
ロシアはシリア政府軍を支持しており、アメリカはシリアの反政府軍を支持しています。
こうなってしまうとシリアとアメリカだけの事ではなく、ロシアとアメリカの関係も生じて来ますので極めて危険な状況です。
これが今回のニュースですね。
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2018/04/16(月) | 宗教・戦争のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)