再生可能エネルギーによって得られた電力を「証書」という形で取引して、再生可能エネルギーを調達したと見なす、『グリーン電力証書システム』
を設ける事になりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
いまの電力を供給している発電方法の割合は火力発電です。大体ですが8割くらいを占めています。
残りは再生可能エネルギー(太陽光発電や水力発電)や原子力発電です。
ちなみに現在稼働してる原子力発電は2基です。東日本大震災で原子力発電の見直しがされている所で、ほとんどが動いていないのです。
そして東日本大震災以降、再生可能エネルギーが一気に注目され、法律の改善もあって様々な発電会社が市場に参入する事がしやすくなりました。
そんな中に新しい形で再生可能エネルギーを市場で取引する方法が導入されようとしています。
それが『グリーン電力証書』というシステムです。
グリーン電力とは再生可能エネルギーの事を指しています。
みなさん、よく会社のパンフレットとかに『この紙は再生紙100%を使用しています』とか書いてあるのを見かけた事がありませんか?
再生紙も非再生紙(原料から新しく作った紙の事)、並べてみても紙は紙なんですが、そこには1つ重要な価値が付いています。
『環境価値』という価値です。
再生紙は古紙から作られますよね?すなわち、CO2を吸収する木を新たに切り倒す必要がなくなります。環境への不可が少ないです。
このように同じ紙でも環境への不可が少ない要素が含まれているものは、価値が含まれていて「環境価値がある」と考えられます。
電気も同じことが言えます。
再生可能エネルギーから作られた電気と石炭や石油を燃やして作られた火力発電。
同じ電気でも環境価値があるのは再生可能エネルギーから作られた電気ですよね。
もし火力発電で作られた電気と再生可能エネルギーで作られた電気を使うなら、やはり後者の電気を使いたいとみなさんは思うでしょう。
電力を販売する会社も同じで、再生可能エネルギーから作られた電力をできるだけ販売したいという気持ちがあります。
しかしながら電力というのは、火力発電で発電した電気も再生可能エネルギーで発電した電気も同じ電線で運ばれてしまいます。
ですからどのような方法で発電した電気を販売しているのかはわかりません。
実際は再生可能エネルギーで作られた電力を10割で販売しているかもしれませんし、原子力発電で作られた電気を6割、火力発電から作られた電気を4割販売しているのかもしれません。
そこでグリーン電力証書を電力の販売会社が購入するのです。
グリーン電力証書を発電kw分購入しますと、その購入した分だけの「再生可能エネルギーで発電された電力を販売している」と見なされます。
例えば100kw分のグリーン電力証書を購入したら、うちは100kw分の再生可能エネルギーを使った電力を販売していて、CO2削減に貢献してますよと見える化させる事ができるわけです。
これをしますと、電力販売会社にとっては環境問題に取り組んでいますよ!と企業アピールする事ができ、イメージアップに繋がります。
特に大企業ではこうしたアピールが消費者の心象を上げるためにも大事な事です。
グリーン電力証書は、まず再生可能エネルギーで発電している発電事業者が、証書を発行する事業者にお願いします。
そして証書を発行する事業者が販売して、それを電力の販売会社が購入すると言った仕組みです。
こうやって見える化させていく事で、企業アピールだけでなく、私達も再生可能エネルギーについて関心を示すようになります。
そして、再生可能エネルギーを使用していく構図にしていくのが狙いです。
これが今回のニュースですね。
▼大佐のブログが本になりました。

自己紹介
ブログ管理人:大佐

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2018/05/07(月) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)