「森林経営管理法」に森林の荒廃を防ぐため「森林バンク」が新たに設けられました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
森林の所有者を二つにわけますと、「国有林」と「民有林」に分けられます。
国有林は林野庁と呼ばれる国の行政機関が所有している物を呼びます。
林野庁は林業に対しての監督をしたり、木材を安定的に供給する体制作りなんかをしています。
約、769万ヘクタール(1ヘクタールは100m×100m)あって、日本の森林面積の3割は国有林です。
一方、民有林は少し細かく分けられます。
都道府県や市町村が所有しているのを「公有林」、個人や会社が所有しているのを「私有林 」と呼んでいます。
1741万ヘクタールあって、7割が民有林です。
そんな国有林と民有林を一緒にして、日本の国土から見ますと約68%が森林なわけです。
この割合は先進国の中では第3位。
日本は森林資源がかなり豊富なんです。
が・・その森林資源はほとんど使われていないのが現状で、多くの材木は輸入に頼っています。
戦後の日本では国産の材木がほとんどを占めていました。戦後の復興の為に国産の材木がバシバシ使われていたのです。
しかし何でも需要と供給の関係があります。
国内の木を切り過ぎて、木がなくなっちゃったんですね。需要に対して供給する国産の木がなくなったので価格はどんどん高くなってしまったのです。
そこで1960年に木材輸入の自由化をスタートさせたのです。
よく安い木材が海外から入って来たから林業は衰退したと言われてます。
それはそうなんですが、木材輸入の自由化によって、安定的に海外から供給されたので、在庫がなくて高騰していた国産の木材では当然に敵わなかったわけですね。
そして今もズルズルと海外から木材を輸入し続け、林業は衰退して、林業に携わっていた方は高齢化、さらに山は人が入らないので荒廃していったのです。
そこで「森林経営管理法」という法律を作りました。
森林の持ち主は適時に木を植えたり、木を伐採をしたりしなくてはいけませんよ、と言う法律です。
要は放置するのはダメですよ。と言うわけです。
しかしとは言っても、所有者が高齢化で動けなかったりで放置している事もありますので、「森林バンク」という仕組みを新たに設けました。
これは森林の経営管理を市町村や業者に代わって管理して貰う仕組みです。委託するわけですね。
例えば利益が出るようなら意欲のある業者に木を切って貰ったり、植林をしてもらいます。(国内の木材価格はピーク時の3分の1なので採算を取るには難しいですが)
また利益が出ないような場合は、市町村が広葉樹に変えるように誘導するなど管理もします。
そうやって山の荒廃を防ぐようにしていくわけですね。
ただもちろん問題もあります。
林業に関わる業者などがちゃんと確保できるのか?とか、それに関連して大半は採算がとれないので、結局市町村が管理するで終わってしまうのではないか?という問題です。
そこで政府は2024年から「森林環境税」という税金を設けて、国民から1000円を住民税に載せようと検討もしてます。
毎年1000円が上乗せされるので、税金の負担も増えます。
既にそのような税金を取ってる県などがありますが、二重に税金が課されないようにまだまだ話し合う必要性がありそうです。
森林経営管理法は2019年の4月に施行される予定です。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/05/28(月) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)