北海道で来シーズンのクロマグロの漁獲枠が事実上ゼロとなりました。
今回は日本のクロマグロの漁獲枠と、クロマグロの世界の取り決めをわかりやすく解説して行きたいと思います。
クロマグロ(本マグロ)は回遊魚です。
まず南西諸島(沖縄とかがある辺り)辺りで産卵をして、それからイカなどのエサを求めて北上します。
また一部は北上中にアメリカの西海岸に行ったりもします。
北上して9月ごろになりますと、徐々に良い大きさになって行き、12月ごろからたっぷりとエサを食べた大きなクロマグロが現れます。
青森県の大間でクロマグロが何故有名なのかと言うと、エサを食べて脂がのった最高級なクロマグロが獲れるからです。
それからまた暖かくなってくると産卵をしに南西諸島へ下っていくのです。
ではクロマグロの資源量の推移を見て見ましょう。
クロマグロは1962年のピーク時では16万トンもいましたが、それから急激に下がっていきます。
そして2014年度では17000トンしかいなくなってしまいました。
世界でクロマグロはブームです。
日本だけでなく中国やアメリカなどでも親しまれています。
そのため漁獲量が減り価格が高騰してしまい、獲れればさらにお金になるのでさらに乱獲されてしまうという悪循環が続いているのです。
このままでは絶滅してしまう・・。
そこで「西部及び中部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存及び管理に関する条約」というのが2004年に国際条約で決まりました。
それに伴い「中西部太平洋まぐろ類委員会」(WCPFC)と言うものも設立されました。
簡単に言いますと、世界マグロ(マグロだけでなくカツオなども対象)を守る会です。
日本も加盟しており、2005年の8月から効力が発行していて、現在26ヶ国が加盟しています。
これによって、それぞれの国の漁獲枠と言うのを決めたのです。
例えば2016年7月から2017年6月末までの期間で、日本に割り当てられた漁獲上限は4007トンでした。
所が2017年度は残り2ヶ月のクロマグロの漁期があったのですが、2ヶ月前に4008トンを既に獲ってしまっていました。
2ヶ月も前から既にオーバーしていました。
2018年度の漁獲枠は3424トンです。
しかし、3月時点で3395トンを既に獲ってしまっています。
日本ではそれぞれの県で漁獲枠を制限したりしているのですが、北海道では決められた枠のおよそ7倍も水揚げしてしまいました。
112トンの漁獲枠でしたが783トンも獲ってしまったのです。
国際条約で決められた漁獲枠に収めようとしているのに、何処かの県が沢山獲ったり自分勝手にしてしまうと、他の県がその分減らしたりと調整しなくてはならなくなります。
そこで日本では獲り過ぎた分は来年の漁獲枠から差し引きますよと言う制度をとっています。
つまり、仮に北海道の来年の漁獲枠が同じように112トンであるなら、来年は完全に獲ってはいけない事になるのです。
ただクロマグロはピンポイントで釣れればいいですが、定置網などで他の魚を狙っていたのに獲れてしまう事も沢山あり、仕方なく8.3トン分は獲れてもいいよとはしています。
もし国際上で決められた漁獲枠を上回った場合、次のシーズンでは日本全体の漁獲枠が減らされることになります。
水産庁では2018年から漁獲枠の上限に迫った際に、操業停止命令に従わない場合は罰則を与える事に決めました。
もし破った場合は3年以下の懲役または200万円以下の罰金を科す措置を導入します。
これが今回のニュースですね。
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2018/05/30(水) | 時事のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)