13歳の息子を連れて帰国した母親に対し、ハーグ条約に基づいて米国在住の父親に息子の引き渡しを認める判決を言い渡しました。
今回はハーグ条約についてをわかりやすく解説して行きたいと思います。
現在、日本人と外国人の国際結婚の数は2万組くらいだと言われています。2006年には4万組くらいいましたが減少しています。
これは入管法の改正で厳しくなり外国人が簡単に日本へ入国する事が厳しくなり、外国人との出会いが減ったからだと言われていますね。
もしも外国人と結婚をして、うまくやっていければ良いですが、中には何らかの理由で離婚をしてしまう事があるかと思います。
夫婦のみであればまだ良いかもしれませんが、子供がいますとこれが一気に複雑化してしまい裁判で争ったりもすることでしょう。
子供の親権をどちらにさせるか?離婚してそれぞれの国に帰った場合は子供はどちらの国で暮らすようにさせるか?
こういった問題が上がります。
日本では減っていますが世界規模でみますと国際結婚は右肩上がりです。しかし国際結婚をして子供のいる家庭が離婚した際に問題が多々起こりました。
その中の一つが子供の連れ去りです。
連れ去りと言うのは、片方の親の国に子供を連れて行ってしまって、そのまま帰って来ない状態となるのです。
そうしますと残された親とは一生、生き別れの人生となってしまうケースもあり、このような紛争に対応する国際的な枠組みとして次のようなものが作られました。
『ハーグ条約』です。
正式名は「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」という名前です。
1980年にオランダのハーグで条約が締結したのでこのような名前となっています。
ハーグ条約ができる前は大変でした。
残された親がもし子供に会いに行ったり、連れ戻しに行く場合は現地の当局に問い合わせをして、裁判をして、連れ去りを証明するという行為を一人で行っていたのです。
英語が出来ない場合は翻訳家を雇って、何もかもを一人でやるので莫大な費用と労力がかかったのです。
ハーグ条約はそう言った事を16歳未満の子供であればサポートをしてくれます。
また子供との面会や交流ができるようにしたり、何よりハーグ条約は、親権を持った親が子の返還を申し立てると、子どもを元住んでいた国に返還する事になっています。(ただし裁判所で子供を返還しなくても良いと判断される事もあります。)
やはり子供が今まで生活を送っていた国の環境で両親の判断を行うのが望ましいと考えられているからです。
もしハーグ条約に加入している国で勝手に連れ去ってしまった場合は刑事罰になったり、誘拐した被疑者となり逮捕される事もあります。(ただ、国によってもその辺りはマチマチです。)
ですから子供を連れて国外に移動する場合は自分の国の法制度をしっかりと確認しなくてはいけなくなるのです。
2017年では世界の98か国がこのハーグ条約に入っています。
日本では非常に遅い加入でしたが、2013年にハーグ条約をしますと約束して、2014年の4月から施行されています。
さて、今回ニュースはアメリカで暮らしていた日本人夫婦がいまして、子供を連れて日本に帰った母親に対してアメリカにいる父親が息子の引き渡しを求めた裁判でした。
そして、裁判所で父親の請求を認めると判決を言い渡したのです。
母親が返還命令に従わずに息子を引き渡ししなかったと言うのが結論でした。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/07/18(水) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)