イランのロウハニ大統領がイラン産の原油の輸入停止を行った場合、ホルムズ海峡を封鎖する可能性を示唆しました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説したいと思います。
イランとアメリカは昔から仲が悪いです。
それこそ話すと長くなってしまうのですが、近年はこんな事でさらに険悪となっています。
イランの核問題ですね。
2002年にアメリカの諜報部でイランが秘密裏にウランの濃縮(原子力発電や核兵器を作る時に行う工程)を行なっている事がわかりました。
これをイランに叩きつけますと、「核兵器を作るタメじゃないよ。平和利用(原子力発電)の為に使うんだよ」と否定しました。
最終的には国連でイランへの経済制裁が決まり、長いことイラン産の原油を世界中の国で買うことを禁止したのです。
しかし2015年にイランがウランの濃縮をしたりするのをやめるよ。と言い、条件付きでイランの経済制裁が解除されたのです。
EU圏などではイランは核合意を守ってるよ。と言うスタンスなんですが、対してアメリカではイランは核合意なんて守ってないぞ!核合意は穴だらけの合意文書だと批判しました。
そしてアメリカは世界の国にイランの石油は買っちゃダメ!と呼びかけて経済制裁を継続させるように今しているわけです。
このような険悪な状況下でイランのロウハニ大統領は「ホルムズ海峡を閉鎖するぞ」と脅してきたわけです。
ホルムズ海峡は原油と密接な繋がりがあるのです。
まずホルムズ海峡がどこにあるか知りましょう。
ホルムズ海峡は北のイラン、南のオマーンやアラブ首長国連邦を挟んでいる海峡です。
かつてこの付近にホルムズ国と言う国があったのでこのような名前が付いています。
ここは図の通り、石油産油国に囲まれていてここの海峡を石油を積んだ大型タンカーが毎日通って世界に原油が輸出されます。
なんと1日に1700万バレル(1バレルは大体160リットルです。)が運ばれています。
もしここが通れなくなってしまいますと当然原油が供給されません。日本へは87%もここから運ばれる原油に頼っているのでダメージはとても大きいです。
ホルムズ海峡はイランとオマーンの領海です。
領海とはある国の海の領域ですね。日本にも領海は当然あり、よく中国の船が領海侵犯をした!と日本の領海へ侵入したニュースが報道されます。
領海は12海里(約22キロ)までと国連の「海洋条約法」で決められています。
ホルムズ海峡は最も狭い所で33キロの幅しかなく、おまけに小さな島や岩礁があるのでここをイランが封鎖してしまうと通れなくなってしまうのです。
封鎖しても勝手に通っちゃえば?と思うかもしれませんが、非常に危険です。
何故なら機雷を設置している可能性があるからです。機雷は海に漂う爆弾です。船が機雷に触れますとどんな大型タンカーでも爆発、沈没します。
ですからホルムズ海峡の封鎖は原油の価格に大きく影響しますし、私達も困ってしまうのです。
これが今回のニュースですね。
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2018/07/24(火) | 国際事情のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)