国際的な指標金利であるLIBORが3年程度で廃止される事になり、これに変わって新たな金利指標を検討する事になりました。
今回はこのニュースをわかりやすく解説して行きたいと思います。
指標というのは、何かを決めたり判断する際に目印とするものですね。それが何かの値だったり、数だったりするわけです。
今、景気が良いのか悪いのか?を判断する場合でも様々な指標が取られているのです。
例えば就職率だったり、日経平均株価だったり、国債価格だったりします。
この様に経済では様々な指標を活用していて、それを『金融指標』なんて言ったりします。
そして住宅ローンや、企業などに融資する際に付く金利などを決める指標が『指標金利』と言うわけです。
指標金利にもたくさんの種類があるのですが、LIBORはその中でも代表的な国際的な指標金利です。
LIBORは「London Interbank Offered Rate」の略称ですね。ライボーと読みます。
日本語だと「ロンドン銀行間取引金利」と言います。
Londonと言うのは、あのイギリスにあるロンドンの事です。
Interbank Offered rateと言うのはインターバンク市場での金利を差しています。
インターバンク市場と言うのは「銀行間取引市場」と言って、主に銀行同士で金融取引をする市場の事を言います。
世界の銀行と銀行の間で例えばお金を貸し借りするような金融取引をするわけですね。
『市場』なんて言葉が付いてて、築地市場のような場所を浮かべるかもしれませんが、インターネットとか電話でそのような金融取引をやりとりしている、集合体を表しています。(実態としてそういった場所があるわけではないです。)
インターネットや電話で銀行と銀行がお金を貸し借りする金融取引をすれば、そこには当然金利が付きます。
金利が付かなきゃ銀行は儲からないですからね。
つまりロンドンの国際銀行と世界の国際銀行同士でお金を貸し借りして付く金利が指標となっていて、これが国際的な金利の指標の参考になっているわけです。
このLIBORは1日に1度、ICE(Intercontinental Exchange)と言う所から発表されています。
ICEは「インターコンチネンタル取引所」と言いまして、アメリカに本部があるんですが、そこで様々な金融商品(例えば石油とか金とか外国為替とか)を取引している取引所の事です。
例えるなら日本の東京証券取引所みたいなものですね。こんな感じ↓
以前はBBA(British Banker's Association)という、イギリス銀行協会と言う所がLIBORを発表していました。
しかし、このBBAで発表されるLIBORは前から値がおかしいと噂されていました。
そして調査をした所、2012年6月にこのLIBORは不正に値が操作されている事がわかったのです。
何故不正な操作をしたかと言いますと、LIBORの値によって影響される金融商品があり、LIBORの値が上がれば儲かったりする金融商品をあらかじめ買っておき、高くしたら売るという不正な行為をしていたのです。
また、LIBORの値段を発表するBBAの中に、賄賂を貰って値を変えていた不正も行われたとされています。
このような事では金融界全体に影響を及ぼすとして、LIBORは3年程度で廃止される事になったのです。
そして、新しい透明性のある指標を検討して話し合われる事となったのです。
これが今回のニュースですね。
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ブログ管理人:大佐

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2018/08/07(火) | 経済のお話 | トラックバック(0) | コメント(0)